岡山大学 農学部

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田村教授(微生物遺伝子化学)らの研究成果が日本農芸化学会英文誌(Biosci. Biotech. Biochem.)の表紙を飾りました

2016年03月08日

DL-ペニシラミンは銅に特異的な金属キレート剤です。Cuイオンを添加しない合成培地にペニシラミンを添加すると銅欠乏により枯草菌の増殖は抑制されました。この銅飢餓条件下で DNAマイクロアレイと2602株のノックアウト変異体のスクリーニングを実施してDL-ペニシラミンによる銅欠乏に応答する遺伝子zosAを同定しました。zosA変異株は,ペニシラミンを添加しなくても銅欠乏下で生育遅延を示し,IPTGでzosA遺伝子を誘導すると生育阻害を回避しました。また,zosA株は過剰な銅には高い耐性を示しました。これらの結果からzosA産物が銅の取込みに関わることが示唆されました。アミノ酸配列の相同性が高い銅排出ATPaseの立体構造に基づき,zosAのホモロジーモデリングと分子動力学計算により立体構造を最適化しました。zosAは金属輸送ATPaseの機能に必須のドメイン構造を形成し,銅取込みに寄与する特徴的な含硫アミノ酸残基を銅イオンの通過経路に持つことが示されました。以上の研究成果はZosAが銅取り込みに関与する候補遺伝子であることを強く示唆しています。

雑誌名: Bioscience Biotechnoloygy & Biochemistry
年・巻号: Vol 80, Issue 3, 2016
論文タイトル: Identification and characterization of the zosA gene involved in copper uptake inBacillus subtilis 168
著者: Takahiro Fukuhara, Kazuo Kobayashi, Yousuke Kanayama, Shu-ichi Enomoto, Taeko Kondo, Naoki Tsunekawa,Michiko Nemoto, Naotake Ogasawara, Kenji Inagaki & Takashi Tamura

本件担当

【本件担当】
田村 隆(教授)
岡山大学大学院環境生命科学研究科(農学部)
Email: tkatamura(a)okayama-u.ac.jp
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