岡山大学 農学部

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【プレスリリース】歩かない虫のオスは、より多くの子の父となる!~より歩かないオスのほうがメスをめぐる競争に勝つ~

2019年07月05日

 岡山大学大学院環境生命科学研究科(農)の宮竹貴久教授と松村健太郎研究員、イギリスのエクセター大学(コーンウォール校)のデイビッド・ホスケン教授と、ルース・アーチャー博士の国際共同研究グループは、米・小麦類の貯穀害虫であるコクヌストモドキの一定時間の歩行軌跡を計測し、歩行距離の長い集団と短い集団を22世代育種しました。その結果、よく歩くオスに比べ、歩かないオスは脚の長さが長く進化するという予想外の結果が得られました。よく歩くオスはメスとの出会いが多くよく交尾するのですが、メスが複数のオスと交尾したときの子を調べると、歩かず移動分散しないオスの精子のほうがよく歩くオスの精子に比べて、より多くの受精に使われていました。つまり歩かないオスはメスとの受精をめぐる競争で有利でした。これは甲虫において移動歩行と精子競争力が二律背反の関係にあることを世界で初めて示した結果となりました。これらの研究成果は日本時間7月5日午前9時(英国時間:7月5日午前1時)、オックスフォード大学出版会の国際雑誌「Behavioral Ecology」のResearch Articleとして掲載されます。
メスをめぐるオス間の競争において、移動しないという戦略と移動するという戦略はそれぞれ別の手段でメスの受精を獲得できる可能性を示唆したことになります。

詳細は下記URLをご覧ください

参照リンク

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id638.html

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