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【プレスリリース】植物病原菌感染時の細胞死調節因子を同定

 岡山大学大学院環境生命科学研究科(農)の松井英譲助教と理化学研究所環境資源科学研究センター中神弘史客員研究員らの共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、リン酸化プロテオミクス手法により、植物が病原菌感染時に細胞死を調節する因子PSIG1を同定しました。本研究成果は米国東部時間10月26日午後2時(日本時間10月27日午前3時)、米国の科学雑誌「 PLOS Genetics 」のResearch Articleとして掲載されます。 
 植物は、自然界において様々な病原体に曝されています。作物生産においては、毎年8億人分の食糧が病気の発生により失われていると試算されています。作物の耐病性強化および保護技術の開発は、人口増加に伴う安定的な食糧増産の必要性への対応として、重要な課題となっています。植物が病原体に対して発揮する免疫機構の理解は、作物の耐病性強化に欠かせません。しかしながら、植物がどのように様々な病原体に応じて免疫応答を調節しているか、その分子機構には不明な点が多く残されています。
 研究グループは、リン酸化というタンパク質の機能を制御する機構に着目し、PAMP誘導性免疫活性化時にリン酸化状態が変動する因子の探索を行いました。今回同定したPSIG1という因子は、感染戦略の異なる病原体に対応するために、病原菌感染時に免疫応答に伴う細胞死の誘導を調節、最適化していることを明らかにしました。さらに、PSIG1がRNA代謝を制御する因子SMG7と相互作用することを見出し、RNA代謝が病原菌感染時の細胞死制御に重要な役割を果たす可能性を示唆しました。今回の成果は、植物免疫機構の理解を深めるのみならず、作物の耐病性強化技術の開発に大きく貢献するものと期待されます。

詳細は下記リンク先をご覧ください

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id498.html