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【FOCUS ON】花粉症薬への利用が期待される植物抗原性糖鎖で人工糖鎖ポリマーを合成

 岡山大学の研究紹介「FOCUS ON」で、大学院環境生命科学研究科(農)の前田 恵 准教授の研究が紹介されました。

◆発表のポイント
・植物のタンパク質 に は ヒトではみられない植物抗原型糖鎖が結合している場合があります。
・植物抗原型 糖鎖はスギ花粉症のアレルギー反応に関わる免疫応答を 実験的に 抑制しま す 。
・この植物抗原型糖鎖を多数結合させた人工糖鎖ポリマーを合成できるようになりました。

 糖鎖とは単糖が10個程度結合した生体高分子で、DNAやタンパク質と同様に重要な生命鎖として知られています。真核生物において、糖鎖はタンパク質や脂質に結合した複合糖質として、少なくとも細胞膜上の外表面に存在しており、自己・非自己の認識などに関与しています。糖鎖の構造は多様であり、植物のタンパク質には、ヒトではみられない植物抗原 型 糖鎖を結合している場合があります。
 前田 恵 准教授は、2004年に 現: 国際医療福祉大学大学院の岡野光博 教授らとの共同研究により、遊離型の植物抗原型糖鎖M3FXは、スギ花粉アレルゲンにより誘導されるTh2型の免疫応答(アレルギーに関わる抗体であるIgEの 産生を促進するタンパク質の分泌を試験管内で実験的に抑制するという結果を報告しました。
花粉症は日本人の約2割が悩まされているアレルギーのひとつであり、M3FXは花粉症糖鎖薬剤への応用利用が期待されています。また 、これまでの研究により、M3FXの多量調製にはイチョウ種子の貯蔵タンパク質が適している事を明らかにし 、2020年には多量調製したM3FXを、ポリ-γγ-グルタミン酸に多数結合させた人工糖鎖ポリマーの合成を行い報告しました。今後は、合成に成功した人工糖鎖ポリマーを用いて、植物抗原 型糖鎖がアレルギーに関わるTh2型の免疫応答を抑制するメカニズムを解明していきたいと考えています。

詳細は下記URLをご覧ください(岡山大学記者発表情報)
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/profile/press_info_r2.html

<お問い合わせ>
岡山大学 大学院環境生命科学研究科
准教授 前田 恵
(電話番号)086-251-8292
( F A X )086-251-8388