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久保康隆教授が「2021年度 園芸学会学術賞」を受賞

 本学大学院環境生命科学研究科の久保康隆教授が3月27日に「2021年度 園芸学会学術賞」を受賞し、3月27日〜28日に開催された園芸学会2021年度大会において受賞講演を行いました。
今回の久保教授の受賞は「果実の成熟・軟化機構に関する研究-エチレン誘導性成熟と低温誘導性成熟の分子機構解析とその利用-」と題するもので、長年に渡る果実の成熟機構に関する研究が高く評価され、同賞の受賞が決定しました。研究内容の概略は以下の通りです。

⒈ メロンやセイヨウナシ、トマトにおいて、エチレン処理、その作用抑制剤(1-MCP) および遺伝子組換え技術やマクロアレイ技術を用いて成熟制御機構を解析し、エチレン信号は成熟開始時だけではなく、その後の成熟進行にも必須であることを明らかにした。

⒉ キウイフルーツは、リンゴと一緒に袋に入れると果実軟化が促進されるように、その果実成熟はエチレンによってのみ誘導されると考えられてきた。ところが、久保教授らは、病害によるエチレン発生の影響を除外すると、キウイフルーツ果実は、低温遭遇によって、エチレン生成を伴わずとも成熟・軟化が誘導されること、RNAseq 解析により、エチレン誘導性成熟と低温誘導性成熟の二つは独立した信号伝達系で制御されていることを示した。

⒊ キウイフルーツやレモン、セイヨウナシの低温誘導性の成熟・軟化・着色促進は樹上でも、低温貯蔵下と同様の分子メカニズムで起こっていることを示した。秋季の気温低下に反応して種々の樹木の紅葉が進むように、多くの温帯性果実の成熟・老化も低温遭遇により促進されると考えられる。

⒋ 低温遭遇で成熟誘導されたキウイフルーツやカンキツ果実は成熟・老化の進行が緩慢で適食・棚持ち期間が長い特性を持ち、貯蔵、流通技術の改善に直結する。果実の低温誘導性成熟の解析は果実成熟生理研究とその応用に新たな展開を開くことをが期待できる。

 同賞は、園芸学会が優れた学術的あるいは技術的業績に対して授与されるものです。
園芸学会賞受賞者:http://www.jshs.jp/modules/about/index.php?content_id=38

【連絡先】
久保 康隆(教授)
岡山大学大学院環境生命科学研究科(農学部)
Email: ykubo (a) okayama-u.ac.jp


(Asiche et al. BMC Plant Biology (2018) 18:47 https://doi.org/10.1186/s12870-018-1264-y )