結節性硬化症とは?
結節性硬化症は、身体のいろいろな臓器に過誤組織(良性腫瘍になる場合は過誤腫)という先天性病変ができる疾患です。中枢神経系と皮膚の病変が前面に出る患者さんが多いため神経皮膚症候群に分類されますが、病変は神経や皮膚だけではなくさまざまな臓器に及びます。そのため結節性硬化症の診療では多数科やスタッフの間の連携が必要です。
結節性硬化症で認めるのは、顔の一見ニキビ様のぶつぶつの良性腫瘍 (顔面血管線維腫)、皮膚の白い葉っぱのような形のあざ
(白斑)、腎臓の良性腫瘍 (血管筋脂肪腫)、脳内の良性腫瘍や結節 (上衣下結節・巨細胞性星細胞腫)、てんかん、知的障害・自閉症、心臓の良性腫瘍
(心横紋筋腫)、目の良性腫瘍 (網膜過誤腫)そして肺の病変(リンパ脈管平滑筋腫症、LAM)など多彩です。その中のいくつかを、それぞれの患者さんでは認めることが多いのですが、年齢により現れる病変は違います。
例えば心横紋筋腫は新生児期から認められ年齢と共に自然に小さくなります。てんかんは特に乳児期に、点頭てんかんというピクッとお辞儀を繰り返すような発作を示すタイプになり易いのですが、他のタイプになることもしばしばあります。一方で腎血管筋脂肪腫は思春期以降に、肺のLAMは20歳以降の女性に認め易いという特徴があります。このため受診が必要な診療科は年齢により変わります 。
