シアリル化糖鎖抗原KL-6
臨床的意義
KL-6は、1985年に河野らが発見した糖蛋白抗原である。彼らが作成したモノクロナール抗体が認識するKL-6は分子量100万以上の巨大分子であり、肺細胞抗原クラスター分類で、クラスター9に分類されているMCU-1に属するムチンである。KL-6はII型肺細胞上皮、呼吸細気管支上皮細胞、気管支腺漿液細胞などに発現しており、特に間質性肺炎では増生したII型肺上皮細胞に強く発現しさらに血中でも高値を示すことが報告されている。肺外臓器の良性疾患では血清値でほとんど上昇せず、当初は血清腫瘍マーカーとして研究されていた。現在では、間質性肺炎の活動性の指標としてまたは線維化の過程に関与する物質として注目されている。
適応疾患:間質性肺炎群(特発性間質性肺炎、過敏性肺炎、膠原病性間質性肺炎)
測定方法: CLEIA法(平成20年11月27日より)
ECLIA法(平成15年5月26日より平成20年11月26日まで
EIA法(平成15年5月23日まで)
測定機器: ルミパルスL2400(平成29年5月8日より)
ルミパルスプレスト(平成21年10月19日より平成29年5月2日まで)
ルミパルスf(平成20年11月27日より平成21年10月16日まで)
ピコルミ(平成15年5月26日より平成20年11月26日まで)
BEPIII(平成15年5月23日まで)
測定試薬: 富士レビオ
相関:
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.068X-74.1 r=0.993 n=100
平成21年10月19日より
y=0.96x+8.46 N=103 r=0.998
1000U/ml以下
y=0.92x+27.28 N=83 r=0.995
(x=フォルテ、y=プレスト)
基準値: 500 U/ml 未満
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
サーファクタントプロテインD(SP-D)