サーファクタントプロテインD (SP-D)

測定法: EIA法 

外注会社:SRL

臨床的意義
 
肺サーファクタントは、リン脂質と4種類の特異蛋白質を主成分とする生理活性物質で、主に肺胞U型細胞で生成、肺胞腔に分泌され、肺胞の虚脱を防止することによって呼吸機能を維持するとともに、気道-肺胞系の生体防御機能を担っている。肺サーファクタント蛋白質SP-Dは、親水性の糖蛋白質で、C型レクチンのコレクチン・サブグループに属する。 SP-Dは肺胞U型細胞のほかにクララ細胞でも産生され、肺に特異的なマーカーとなり得る。この蛋白質は、気管支肺洗浄液(BALF)中に回収され、肺胞蛋白症(PAP)患者ではサーファクタント・リン脂質とともにBALF中濃度は著増する。特発性間質性肺炎(IIP)や急性呼吸促迫症候群(ARDS)ではむしろ低下する。また、胎児肺由来のSP-Dは羊水中に出現し、羊水中濃度を測定することによって胎児肺の成熟度を判定するマーカーとなり、未熟児に見られる呼吸窮迫症候群(RDS)の診断に有用である。

異常値を示す疾患
高値:  特発性間質性肺炎、膠原病合併間質性肺炎、肺胞蛋白症

基準値: 0〜109.9 ng/mL

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

シアリル化糖鎖抗原KL-6

先頭に戻る    前ページに戻る