尿中β2 マイクログロブリン, Urinary β2 -microglobulin
(検査依頼画面は、蛋白関係/血清膠質反応で尿に材料変更してオーダして下さい)

測定法:ラテックス凝集法
RIA法(核医学診療室)(平成17年3月25日まで)

臨床的意義
β2 マイクログロブリンは、99個のアミノ酸からなる分子量11,800ダルトンの低分子蛋白である。1本鎖のポリペプチドからなり糖鎖を含まない。 HLA class IのL鎖としてH鎖と共有結合し、赤血球を除く全身の有核細胞表面に広く分布し、これらの細胞表面から分泌されると腎糸球体基底膜を通過し、約95%以上が近位尿細管から再吸収・異化を受ける. 尿中にはごくわずかの量しか排泄されない。 我が国では、尿細管障害の補助診断、フォローなどに広く利用されている。 しかし尿中動態は、腎前性の増加によっても影響をうけ、また糸球体の異常でも増加するため鑑別を要す。 酸性尿中で不安定や特異性の問題から欧米では血清のマーカーとしてのみ使用され尿の測定はα1マイクログロブリンを測定するのが一般的である。

異常値を示す疾患
<腎前性の増加、腎不全も合併>
骨髄腫、白血病、固形腫瘍、自己免疫疾患(SLE,Sjogren症候群)、ウイルス感染症(AIDS,伝染性単核症)
<腎糸球体性増加>
一次性糸球体疾患
二次性糸球体疾患(SLE,糖尿病、アミロイドーシス、痛風)
<腎尿細管性増加>
間質性肺炎、腎盂腎炎、遺伝性疾患(Fanconi症候群、Wilson症候群、シスチン尿症)、薬物・金属(有機水銀、カドミウム、抗生物質(アミノ糖類))、自己免疫疾患(SLE,Sjogren症候群)

測定機器:自動分析装置 BioMajestyTMJCA-BM6050(日本電子)(平成26年3月24日より)
     日本電子BM1650

測定試薬:LZテスト‘栄研’β2-M(栄研化学株式会社)

基準範囲: 0.290mg/l未満

生理的変動:妊娠、運動負荷により増加する。前者は、腎前性の増加、糸球体濾過能の増加、後者は尿細管機能の変化による。日内変動では、活動性の高い午前中から午後にかけて排泄が高まる。 加齢に伴い、尿中排泄量は増加傾向を示す。

相関 平成26年3月24日
X=BM1650、Y=BM6050
Y=1.0154X-0.008 r=0.9997  n=109

採取容器:白)尿用試験管
関連項目

クレアチニン
BUN
α1マイクログロブリン
クレアチニンクリアランス
尿中NAG

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