抗カルジオリピン抗体, anti-cardiolipin  antibody

 
臨床的意義
 
抗リン脂質抗体(anti phospholipid antibody:aPL)の存在が反復性の流産・子宮内胎児死亡、全身の動・静脈血栓症(特に下肢深部静脈血栓症、肺梗塞、脳梗塞など)、あるいは血小板減少症などと密接に関連していることが判明し、これらの自己抗体と特有の病態を示す症例は抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)と呼ばれるようになった。aPLやAPSはSLEをはじめ膠原病や基礎疾患のない症例にも認められている。aPLは固相酵素免疫測定法(ELISA法)で検出される抗カルジオリピ ン抗体(anticardiolipin antibodies:aCL)があり、本法で検出する。aCLの大部分はIgG-aCLであり、一部にIgM-aCLも存在する。最近,aCLの中には、リン脂質自体に反応する抗体を感染性aCLと呼び、リン脂質と結合した血中コアファクターと反応する抗体を自己免疫性aCLと呼んでいる。現在確立されたAPSの診断基準はないがaPLが存在し、これらと関連する特徴的な臨床症状一つ以上認められる場合、APSと診断している。aPLは、主にAPSの診断のために測定されるが、抗体価の推移から治療効果や再発の予知などに有用である

適応疾患: SLE、RA、SS、Behcet病 

測定法: EIA法

測定機器: EVOLIS(日本バイオラッド(株)
BEPIII(平成17年12月28日まで)

機種変更相関、一致率: y=1.120x - 0.716 r=0.959 n=32、 87.5(平成17年12月28日)

測定試薬: MBL

基準値: 10 U/ml 未満

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

抗カルジオリピンβ2
梅毒 
クームス試験 
抗DNA抗体 

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