抗SS-B/La抗体, anti-SS-B/La antibody
臨床的意義
抗SS-B/La抗体は、シェーグレン症候群に特徴的な自己抗体として秋月らにより報告された抗Ha抗体、およびTanらにより報告された抗La抗体と同一特異性であることが、抗SS-A/Ro抗体同様明らかにされている。抗SS-B/La抗体は、抗SS-A/Ro抗体に比べ検出頻度は低い。しかし、シェーグレン症候群に特徴的であるとされる。通常抗SS-B/La抗体は抗SS-A/Ro抗体を併存する。抗SS-B/La抗体単独で検出されることはまれである。このことは抗SS-A/Ro抗体と抗SS-B/La抗体がシェーグレン症候群に関連する自己抗体として同一ヵ所で解説されることが多い理由である。しかし、各抗体は免疫学的には独立した自己抗体であり、対応抗原の解析も別になされている。SS-B/La抗原分子については種々の報告がなされてきた。現在では、RNA polymeraseのtranscription termination factorとして機能する50kDa蛋白であり、さらにこのSS-B/La抗原分子はhY RNAsおよびSS-A/Ro抗原蛋白と複合体を形成すると報告されている。事実SS-B/La抗原は核内に多く存在するが、SS-A/Ro抗原が存在する細胞質内からも、hY RNAsと複合体を形成した形で検出される。このことが臨床的に抗SS-B/La抗体が、抗SS-A/Ro抗体を伴って検出されることの理由と考えられている。抗SS-B/La抗体は蛍光抗体法による抗核抗体スクリーニングでspeckled patternを示す。しかし、蛍光抗体法の結果から特異性に言及できるものは限られている。したがって、スクリーニング検査の結果から標準血清を用いたDID法などを実施する。
適応疾患: Sjogren症候群,SLE,新生児ループス
測定方法: 蛍光酵素免疫測定法:FEIA法
測定機器: ImmunoCAP 250(平成22年4月28日より)
EVOLIS(日本バイオラッド(株))
BEPIII(平成17年12月28日まで)
測定試薬: ユニキャップエリア(ファディア株式会社)(平成22年4月28日より)
MBL(平成13年4月2日より改良試薬に変更
〜平成22年4月27日まで)
機種変更相関、一致率
(平成22年4月28日機器、試薬を変更)
y=0.996x – 1.014 r=0.994 n=30、 96.7%(平成17年12月28日)
従来試薬と改良試薬の一致率
(平成13年4月2日より改良試薬に変更)
抗SS-B/La抗体 従来試薬 | ||||
+ | +- | - | ||
改良試薬 | + | 16 | 5 | 3 |
+- | 0 | 0 | 9 | |
- | 0 | 0 | 52 | |
n=85 一致率 77.6% |
基準値: 7 U/ml未満(陰性)、 7〜10 U/ml(判定保留)、10 U/ml<(陽性)(平成22年4月28日より)
15.0 index 未満(陰性) 25.0 index 以上(陽性)(平成13年4月1日より平成22年4月27日まで)
10.0 index 未満(陰性) 25.0 index 以上(陽性)(平成13年3月31日まで)
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
抗核抗体(ANA)