抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体),
anti-thyroid peroxydase antibody
平成16年10月4日から検査部で測定
臨床的意義
甲状腺自己抗体としてサイログロブリン抗体と共に代表的なものである。従来は抗マイクロゾーム抗体といわれ、甲状腺マイクロゾーム分画に存在するものであったが、近年この抗体の主要抗原は甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)であることがわかり、抗TPO抗体と呼ばれるようになった。抗TPO抗体は細胞障害性があり、甲状腺組織の崩壊に伴う腫大(甲状腺腫)がみられる場合はまず測定すべきである。バセドウ病の90%、橋本病のほぼ100%で抗TPO抗体高値を示す。 甲状腺ホルモン投与で低力価になることがあり、また妊娠や出産で変動することがある。特に産後3〜6カ月で免疫抑制状態からの反跳現象で力価が上昇する。
適応疾患: 橋本病・バセドウ病・甲状腺腫・特発性粘液水腫・全身性エリテマトーデス
測定方法:CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)(平成29年5月8日から)
FEIA(蛍光酵素免疫測定法)(平成16年10月4日から平成29年5月2日まで)
測定機器:ルミパルス L2400(富士レビオ株式会社)(令和3年3月1日から)
AIA CL2400(東ソー株式会社)(平成29年5月8日から令和3年2月26日まで)
AIA-2000(東ソー株式会社)(平成25年12月9日から平成29年5月2日まで)
AIA-1800(東ソー株式会社)(平成16年10月4日から平成25年12月6日まで)
基準値:3.3IU/mL未満(令和3年3月1日から)
3.0IU/mL未満(平成19年5月8日から令和3年2月26日まで)
3.2IU/mL未満(平成16年10月4日から平成29年5月2日まで)
0.3 U/mL以下(外注会社:BML)
相関:令和3年3月1日
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.1948X+51.651 r=0.991 n=103
![]() |
n=107 Y=1.49X+2.76 r=0.850 |
低値域 n=68 Y=0.77X+8.56 r=0.787 |
相関: 平成25年12月9日
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
TSH刺激性レセプター抗体
TSHレセプター抗体
抗サイログロブリン抗体(抗Tg抗体)
甲状腺刺激ホルモン
総サイロキシン
トリヨードサイロニン
遊離サイロキシン
遊離トリヨードサイロニン
マイクロゾームテスト