副甲状腺ホルモン, W-PTH(parathyroid hormone)

平成28年11月1日より院内実施 
外注会社:LSI(平成27年8月14日より平成28年10月31日まで)測定法:IRMA(ビーズ固相法)

臨床的意義
 
副甲状腺から分泌されるインタクトPTHは,84個のアミノ酸から成るペプチドで,主に骨や腎に作用して,血中Ca濃度の恒常性の維持に関与する。腎に作用する時に尿中cAMPを増加させる。血中でPTHは容易に34-35位が切断され,活性型1-34(N末端側)と不活性型35-84(C末端側)となり,各々フラグメントと呼ばれる。インタクトPTHとN末端フラグメントは血中できわめて不安定であるが,C末端・中間部断片は代謝が遅く安定している。PTHは,カルシトニンやビタミンDと共に生体内のカルシウムおよびリン酸代謝を調整する重要なホルモンである。PTHは骨と腎が標的器官であるが,ビタミンDの活性化を介して間接的に腸管にも作用している。したがって,血中PTH濃度の測定は,カルシウムおよびリン酸代謝に関与するこれら各臓器の機能を検査する上で重要な指標となる。

測定方法: CLEIA法

測定機器: ルミパルスL2400(平成29年5月8日より)
      
ルミパルスプレスト(平成28年11月1日より平成29年5月2日まで)

測定試薬:ルミパルスプレストWholePTH「DSPB」 (住友ベークライト株式会社)(平成28年11月1日より)

異常値を示す疾患
高値疾患: 原発性副甲状腺機能亢進症 ・ 続発性副甲状腺機能亢進症 ・ 慢性腎不全 ・ ビタミンD欠乏症
 
低値疾患: 
特発性副甲状腺機能低下症 ・ 術後副甲状腺機能低下症 ・ ビタミンD中毒 ・ 悪性腫瘍の骨転移(高Ca血症)

基準範囲8.3〜38.7 pg/mL(平成28年11月1日より
     9〜39 pg/mL(平成27年8月14日より平成28年10月31日まで)

相関
(平成29年5月8日)
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.01X-1.15 r=0.998  n=101


平成28年11月1日
RIA-CLEIAとの相間(Whole PTH

intact PTH(外注)- Whole PTH(院内)との相間



小児の基準値
1歳から6歳までほぼ一定の値を示し、明らかな男女差はない。

採取容器:EDTA2Na:紫

関連項目

Ca 
IP 
ALP 
カルシトニン
ビタミンD 
オステオカルシン 

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