アルカリフォスファターゼ, ALP (alkaline phosphatase) 


臨床的意義
 
アルカリフォスファターゼ(ALP)には臓器由来の異なるアイソザイムが存在する。ALPの異常値をみた場合には、アイソザイムを念頭において原因を考察する必要がある。 測定法には、p-ニトロフェニルリン酸を基質とする方法が国際的に普及しているが緩衝液については、 AMP(IFCC), DEA(SSCC), MEG(GSCC), EAE(JSCC)とさまざまなものが用いられている。基準範囲も方法による差異があり注意が必要である。 令和2年3月の段階で、国内ではJSCC法が多数を占めているが、令和2年4月1日から日本臨床化学会が定める常用基準法がIFCC法に変更された。

高値疾患: ウイルス肝炎、薬剤性肝障害、アルコール性肝障害、肝硬変、肝細胞癌、原発性胆汁性肝硬変、転移性肝癌、肉芽腫性肝障害、肝膿瘍、肝内結石、閉塞性黄疸、副甲状腺機能亢進、甲状腺機能亢進、くる病、骨粗鬆症、骨軟化症、骨肉腫、セミノーマ、慢性腎不全

測定方法: P-ニトロフェニルリン酸法(AMP)(令和2年7月14日より)
       P-ニトロフェニルリン酸法(EAE)(平成14年7月1日より令和2年7月13日まで)
       P-ニトロフェニルリン酸法(MEG)(平成14年6月30日まで)

測定原理: 血清中のアルカリ性フォスファターゼは、p-ニトロフェニルリン酸に作用してp-ニトロフェノールを遊離する。このp-ニトロフェノールの生成速度を測定し血清中のアルカリ性フォスファターゼ活性を求める。

測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より)
        日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
        日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 積水メディカル(令和2年7月14日より)
       セロテック(平成18年7月18日より令和2年7月13日まで)
        関東化学(平成14年7月1日より平成18年7月14日まで)
        三光純薬(平成14年6月30日まで)

基準範囲: 38〜113 U/L(IFCC法共用基準範囲)(令和2年7月14日より)
      106〜322 U/L(JSCC法共用基準範囲)(平成27年7月1日より令和2年7月13日まで)
        110〜360 U/L(平成14年7月1日より平成27年6月30日まで)
                 男性:130〜320 U/L
        20〜49歳女性:110〜250 U/L
        50歳以上女性:130〜360 U/L

過去の基準範囲
                
41〜127 U/L  (平成6年9月から平成14年6月30日まで)
                    
42〜172 U/L  (平成6年8月まで)

相関
令和2年7月14日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.34X-2.2 r=0.9940 n=500


平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.97X-2.09 r=0.999 n=200

平成14年7月1日
従来法:X
新法:Y
Y=2.44X-2.57 r=0.999 n=62

平成6年9月
従来法:X
新法:Y
Y=1.060X-0.843 


採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目
  
γ−GT(γ−GTP)
甲状腺ホルモン
Ca

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