γ−グルタミルトランスペプチダーゼ, γ-GT(γ-glutamyltranspeptidase),γ-GTP

 
臨床的意義
 γ−GTPはALPやLAPとともに肝・胆道系酵素と呼ばれ胆汁うっ滞ではγ−GTPの合成誘導と胆汁への排泄障害の結果、血清酵素活性が上昇する。肝実質障害では胆汁うっ滞にくらべ上昇は顕著ではないが、アルコール性肝障害や薬物性肝障害では合成誘導に起因して上昇する。

高値疾患: 
胆汁うっ滞・アルコール性肝障害・薬剤性肝障害・肝硬変・慢性肝炎・肝細胞癌・脂肪肝

低値疾患: 妊娠時

測定原理:IFCC法
 
γ−GTPは、L−γ−グルタル−3−カルボキシ−4ニトロアニリドとグリシルグリシンを基質とし、L−γ−グルタミルグリシルグリシンと5−アミノ−2−ニトロ安息香酸とを生成します。この生成される5−アミノ−2−ニトロ安息香酸の吸光度変化を測定し酵素活性を求めます。

測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
        日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
        日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 関東化学(平成18年7月18日より)
        
ロシュ(平成18年7月14日まで)

基準範囲: 男: 13〜64U/L、女: 9〜32 U/L(平成27年7月1日より共用基準範囲に変更)
       
男: 5〜60 U/L、 女: 5〜40 U/L(岡山県医師会制定:平成16年4月より平成27年6月まで)
           3〜40 U/L (平成6年9月から平成16年3月まで)
                     
8〜45 U/L(平成6年8月まで)

相関
平成29年5月30日


平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=0.96X-1.24 r=0.999  n=200

平成6年9月
 従来法:X
 
新法:Y
 Y=1.385X+0.438


小児の基準値
 
胎児・新生児期には肝の活性が高いため非常に高値(対成人値比は男性約2.5、女性約2.8)である。その後急減して生後4ヶ月で成人値に達した後は漸減して1歳で最低値(対成人値比は男性約0.4、女性約0.5)を示し、その後漸増して成人値に近づくが、20歳未満では対成人値比は男女ともに0.7と低い。個体内および個体間の差が大きい。思春期以降では、前立腺のγGT活性のため男性の方が女性より高い。

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管
・ ヘパリン、EDTA血漿、溶血した検体は避けてください。

関連項目

ALP
LAP

先頭に戻る   前ページに戻る