ロイシンアミノペプチターゼ, LAP (leucine aminopeptidase)

臨床的意義
 ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)とは、ペプチドのN端に作用して末端のアミノ酸を1つずつ遊離する酵素である。γGTPあるいは他のペプチダーゼと同様に基底膜に局在し、腎尿細管、腸絨毛、毛細胆管、膵に広く分布している。基底膜のbrush border membraneからの吸収、排泄を通してペプチドの通過にかかわっている。肝ではγGTPと同様にミクロソーム膜および胆汁分泌側の膜に活性があり、胆汁うっ滞、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害で高くなる。そのためALP、γGTPとともに胆道系酵素と呼ばれ、黄疸の鑑別、肝、胆道系疾患の診断および経過観察に用いられている。N端のアミノ酸によって若干特異性は異なるが同じLAPと考えられる。妊娠末期に血中に増加するLAPはoxytocinaseと考えられ、システインをN端にもつ基質に特異性がある。N端からglycyl-prolineあるいはprolineを遊離する酵素は異なったペプチダーゼと考えられる。

高値疾患: 胆汁うっ滞、肝癌、肝膿瘍、胆管内胆石、肝外閉塞性黄疸、妊娠後期、血球貪色症候群、SLE

測定方法: L-ロイシル-P-ニトロアニリド法

測定機器: 日本電子BM8040(平成26年3月24日より
    

        日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)             日立7350自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 和光純薬

基準範囲: 38〜75 U/L  (平成6年9月より)
                      
31〜78 g/dL(平成6年8月まで)

相関
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.02X-0.93 r=0.999  n=200

平成6年9月
従来法:X
新方法:Y
Y=1.034X+3.011  

小児の基準値
 
新生児期では成人の2倍から3倍の値である。その後やや減少し、生後1ヶ月では成人より50〜60%高く、1歳まで少し減少したのち思春期の少し前までほぼ変化がない。思春期で少し高くなった後成人値に近づく。

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目


ALP
γ−GT(γ−GTP)

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