血清アミロイド蛋白(SAA)

外注SBS(平成15年4月2日から平成17年6月15日まで)

外注SRL(平成17年6月16日より)

臨床的意義
 SAAは、慢性炎症性疾患に続発するアミロイドーシス(AAタイプ)で、組織に沈着するアミロイドA蛋白の血中前駆体とされたことからその名がある。また、高比重リポ蛋白(HDL)中にアポ蛋白として存在することから、アポSAAと呼ばれることもある。ヒトSAA遺伝子は少なくとも4種(SAA1、SAA2、SAA3、SAA4)の存在が知られており、産物蛋白としてはSAA1、SAA2、SAA4が同定されている(SAA3は非発現)。このうちSAA1とSAA2が、IL-1、IL-6、TNFなどの炎症性サイトカインの作用により合成される急性相反応物質であり、アミロイド原性蛋白としての性質を有する。SAA1は血中での割合が高く(70%ほど)、アミロイド組織から分離されるAAは90%がSAA1由来で、病因的意義の高いアイソタイプと考えられている。SAA4は、HDLの構造蛋白質で炎症時には変動しない。血中SAAは肝由来のものが多くを占めるとされているが、肝細胞以外にもSAAの発現は認められている。肝細胞と肝外組織では発現の誘導因子が異なる可能性があり、病態によっては肝外由来のSAAも血中濃度に関与していることも否定できない。SAAは炎症が重症なほど、全身性なものほど高濃度となり、軽症のもの、尿路感染症、脳梗塞など限局したものでは低値にとどまる。

高値を示す疾患
中〜高度上昇(>100μg/mL)
細菌・真菌感染症、リウマチ性疾患活動期、急性心筋梗塞などの主要臓器の組織傷害、移植拒絶反応、悪性腫瘍有症状期
軽度上昇(<100μg/mL)
尿路感染症・脳梗塞などの限局性または軽症の感染症・組織傷害、炎症の初期・回復期、ウイルス感染症、SLE、悪性腫瘍、シクロスポリン・副腎皮質ホルモン投与時

測定方法: ラテックス凝集免疫法(平成12年4月3日より平成15年4月1日まで)

測定試薬: 栄研化学

基準値: 0〜10.0 μg/mL 

相関: y=1.1261x+2.3583 r=0.9891 (n=42)  y=新法 x=外注(SRL)
     平成12年4月3日より院内検査
 
     平成15年4月2日よりSBSにて外注


採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

CRP
IL-6
赤沈
白血球数

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