ヒト絨毛性ゴナドトロピン-β, HCGβ(human chorionic gonadotropin β subunit) 

臨床的意義
hCGは,胎盤から分泌される性腺刺激ホルモンで,分子量約38,000の糖蛋白である。αとβのサブユニットからなり,βサブユニットはhCG特異性が示される。 意義として妊娠の早期確認,流産,子宮外妊娠および絨毛性疾患の診断,治療効果および寛解の判定などの指標および,異所性HCG産生腫瘍のマーカーなどに有用である。

異常値を示す疾患
[高値]
多胎妊娠、胞状奇胎、絨毛性腫瘍、睾丸腫瘍、異所性産生腫瘍
[低値]
子宮外妊娠

測定法:電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)(令和2年9月3日より)
    蛍光酵素免疫測定法(令和2年9月2日まで)

測定機器:cobas8000〈e801|e801〉(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)(令和2年9月3日より)
     AIA CL2400(東ソー株式会社)(平成29年5月8日から令和2年9月2日まで)
     AIA-2000(東ソー株式会社)(平成25年12月9日から平成29年5月2日まで)
     AIA-1800(東ソー株式会社)(平成17年3月26日から平成25年12月6日まで)

     

基準値
男性:2.0 mIU/mL未満、女性:1.0 mIU/mL以下
(令和2年9月3日より)
血清 0.5 mIU/mL未満, 尿 0.5 ng/mL 以下 (平成12年10月2日から令和2年9月1日)
血清 1.0 ng/ml 以下(平成17年3月25日まで)
(以前の基準範囲)血清 0.5 ng/ml 以下, 尿 0.1 ng/ml 以下)

相関性
令和2年9月3日 x=AIA-CL2400、y=cobas8000
全濃度域    y=0.803x+563.749  r=0.997  n=142
HCG+β<10000  y=0.949x+115.758  r=0.992  n=113

平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.9438X-386.75 r=0.9985  n=112

平成25年12月9日

検体採取・測定条件
血清または部分尿を用い,測定時まで凍結保存をする。
溶血,乳ビによる測定値への影響は認められない。

生理的変動

・絨毛で産生される為,通常は検出されない。

採取容器:血液
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

HCG-β-コアフラグルメント
エストリオール(E3)


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