ICG, indocyanine green

臨床的意義
インドシアニングリーン(ICG)はほとんど選択的に肝に取り入れられ、胆汁中に排泄されることから肝異物排泄機能検査に応用されている。 ICGを静脈注射すると、2〜3分で血中に均等に混和し、肝臓で排泄を受け、血中濃度は注射後20分までは指数関数的に消失する。 この消失速度は肝異物排泄能を鋭敏に反映し、正常者は大きく肝疾患患者は小さくなる。従って、ICGの消失速度を求めることは、肝異物排泄能の指標となる。

ICG試験は以下のように行われる。
1)ICGクリアランスメーターの電源スイッチをONにする。この際、装置はセルフチェックを行っており、装置の故障が発生していれば警告が発生する。
2)ICGセンサー専用の装着テープを用いて患者の人差し指に装着する。この際、装着テープのマークに合わせてICGセンサを固定する。また、ICGセンサのコードは、ICGセンサがずれないようにするため、コードを少したるませて手の甲で固定する。
3)患者に仰臥位をとってもらい、装置の「開始/↑」スイッチを押して較正を行う。較正中は装置画面に表示に合わせて手を上下に動かすよう患者を誘導する。
4)較正が正常に終了すると「ICG注入」と画面に表示されるので、ICG注射液を準備する。このとき患者の手は体側に下ろし、楽な姿勢をとってもらう。また、ICG注射液の準備や取扱いについては薬剤の添付文書に従う。
5)ICGセンサを装着していない側からICG注射液を30秒以内に静脈注射し、注射が完了したら直ちに装置の「開始/↑」スイッチを押して測定を開始する。
6)測定が開始してから15分間、血中のICG濃度を非観血的にリアルタイム測定し、15分経過した時点で15分停滞率(R15値)と消失率(K値)が自動計算される。

相関性
x:新法、y:従来法
y=0.82x-1.94
r=0.932(p=0.01)

測定方法:フィンガーピース法(2018年9月11日より)
     比色法(2018年9月10日まで)

測定機器:ICGクリアランスメータ RK-1000 モデルA(新生電子株式会社)(2018年9月11日より)
     7010形臨床検査用分光光度計(株式会社日立製作所)(2018年9月10日まで)

基準範囲   15分停滞率:10%未満

異常を示す疾患
・15分値が高い順に、肝硬変、慢性活動性肝炎、慢性非活動性肝炎
・15分値が上昇し、K値(血漿消失率)が0.06以下を示す場合95%が肝硬変
・15分値が21%以上の場合、被検者の65%が肝硬変であり、K値が0.05以下、あるいは15分値が35%以上であれば、他の検査成績が肝硬変とするには不十分であっても肝硬変の可能性が高い


関連項目

アンモニア
プロコラーゲンIIIペプチド


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