アンモニア, NH3 (ammonia)
臨床的意義
アンモニア(NH3)はタンパク質の代謝過程でアミノ酸から脱アミノされて生じ、肝で尿素合成に利用されるが、血中NH3の大部分は消化管(小腸粘膜と大腸内細菌)由来とされる。
NH3の解毒は肝細胞での尿素回路に依存し、尿素は腎より尿中に排泄される。
したがって、肝臓機能の低下による尿素サイクル活性の低下、腸内におけるNH3産生の増加および門脈副血行枝による門脈血の大循環系への流入などの場合には、血中NH3濃度が高値となる。
測定方法:酵素法
測定機器:日本電子BM8040(平成26年3月24日より)
日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成26年3月20日まで)
日立7070(平成14年4月1日より平成18年7月14日まで)
デイドベーリング(ディメンジョンAR)(平成14年3月31日まで)
測定試薬:セロテックアンモニア-L(セロテック)(平成14年4月1日より)
フレックスアンモニア(デイドベーリング)(平成14年3月31日まで)
基準範囲:12〜66 μg/dL(平成18年7月18日より)
7〜39 μmol/L(平成14年4月1日より)
32 μmol/L 未満(平成14年3月31日まで)
異常値を示す疾患
高値: 劇症肝炎 ・ 肝硬変 ・ 先天性尿素サイクル酵素欠損症 ・ 先天性アミノ酸代謝異常症 ・ 門脈一体循環シャント ・ Reye症候群 ・ ショック
低値: 低蛋白食摂取時 ・ 貧血
相関
平成26年8月15日
X=旧機器=旧機種JCA-BM2250、Y=新機種JCA-BM8040
Y=1.01X-7.3 r=0.99 n=100
血清
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.99X+3.40 r=0.998 n=64
平成14年4月1日
X=ディメンジョンAR
Y=日立7070
Y=0.74X+13.6 r=0.945 n=93
検体採取・測定条件
・安静,空腹時に採血を行う。
・採血後室温放置により上昇するため速やかに提出すること。(氷水で冷却して提出)
採取容器: (黄緑)ヘパリンLi入り試験管
関連項目
アミノ酸検査
尿素窒素(UN)