遊離脂肪酸(非エステル型脂肪酸), FFA(NEFA):free fatty acid(non-esterified fatty acid)
平成20年10月9日より外注BML
臨床的意義
血中では遊離脂肪酸(FFA)の70〜87%がアルブミンと結合して存在する。遊離脂肪酸濃度は主として脂肪組織の中性脂肪のホルモン感受性リパーゼによる分解とFFAの放出,肝臓での取り込みによって調節され,糖・脂質代謝状態を反映している。FFAの測定は糖尿病や高脂血症などの代謝性疾患の病態把握に有用である。またFFAを上昇させる因子としてアドレナリン,ノルアドレナリン,ACTH,TSH,MSH,GH,ADH,グルカゴン,副腎皮質ホルモン,カフェイン,テオフィリン,L-dopa,ヘパリンなどがあり,また逆にFFAを低下させる因子としてインスリン,プロスタグランジンE1,ニコチン酸,βブロッカー,reserpine,経口糖尿病薬,CPIBなどがある。
測定方法: 酵素法
測定原理: 血清中の遊離脂肪酸は、コエンザイムA,
ATPの存在下でアシルコエンザイムAシンセターゼを作用させるとコエンザイムA,
ピロリン酸およびAMPを生成する。生成したAMPは、ATPの存在下ミオキナーゼを作用させるとADPに変換する。変換したADPは、ホスホエノールピルビン酸とともにピルビン酸キナーゼによりピルビン酸を生ずる。生成したピルビン酸をNADHとともにLDを作用させると乳酸とNADが生成する。ここで消費されるNADHの量は遊離脂肪酸量と比例するのでNADHの吸光度の減少を測定して求める。
測定機器: 日本電子BM2250(平成18年7月18日より平成20年10月8日まで)
日立7170自動分析装置(平成18年7月14日まで)
測定試薬: 協和メディックス(平成18年7月18日より平成20年10月8日まで)
ヤトロン(平成18年7月14日まで)
基準範囲: 0.10〜0.81 mEq/L (平成20年10月9日より)
0.12〜0.60 mEq/L (平成18年14日から平成20年10月8日まで)
2.52〜19.01 mg/dl (平成6年9月から平成18年14日まで)
2.00〜17.70 mg/dl (平成6年8月まで)
相関
平成18年7月18日
X=旧機器、旧試薬
Y=新機器、新試薬
Y=1.21X-3.06 r=0.996 n=200
平成6年9月
従来法:X
新法:Y
Y=0.978X+1.249
小児の基準値
生後2日頃やや高くなってから下がり、1ヶ月以降は徐々に増加する。
異常値を示す疾患
高値: 糖尿病 ・急性肝炎 ・肝硬変 ・甲状腺機能亢進症 ・Cushing症候群 ・末端肥大症 ・心筋梗塞
低値: 甲状腺機能低下症 ・汎下垂体機能低下症・インスリ ノーマ ・Addison病
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
トリグリセライド(TG)
インスリン
GLu
β-LP