CA125, carbohydrate antigen 125


臨床的意義
 CA125は、Bastらがヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌の腹水細胞培養系を用いて作成したモノクロナール抗体OC125により認識される抗原とモノクローナル抗体M11を組合せた測定系である。分子量20万以上の糖蛋白で,正常組織の腹膜,胸膜,心のう,子宮内膜にも存在する。胎生期体腔上皮に存在する糖蛋白と関連を有しているといわれている。皮性卵巣癌患者血清中に高濃度に存在することから,卵巣癌の診断,治療効果の評価,病態観察に有用であり,腹膜炎などによる胸水,腹水を伴う良性疾患でも血中濃度の上昇が見られる。

高値疾患: 卵巣癌 ・子宮癌 ・子宮内膜症 ・卵巣チョコレート嚢胞 

測定方法: 電気化学発光法(ECLIA法)
       
酵素免疫測定法(EIA法)(平成5年2月15日から平成10年11月30日まで)

測定機器:  コバス8000(平成29年5月8日より)
         Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで)
         エクルーシス2010(平成18年7月14日まで)

相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.018X-0.422 r=1.000  n=103

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.17X-7.33 r=0.998  n=106

平成10年12月1日
X=EIA法
Y=ECLIA法
Y=0.976X+1.682  r=0.990   n=83

測定試薬 ロシュ

基準範囲:  55 U/ml 未満

小児の基準値
 臍帯血では最低値をとり1歳から学齢期にかけて高値となる。男児では3歳時をピークに10歳頃まで高値が認められるが、10歳以降は低値で推移し変動は少ない。また女児では3〜5歳をピークに7歳以降12歳まで低値をとるが思春期にかけて再び40〜50U/mlの高値を示す例が認められる。

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

CA19−9
CEA
SCC
SLX
CA130
CA72-4

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