フリーPSA/トータルPSA比, prostate specific antigen, free/total ratio


測定方法 : CLEIA法

外注会社 : SRL

基準範囲 : 25%以上(グレーゾーンにおけるカットオフ値)

臨床的意義
 前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺癌のスクリーニング、診断、ならびに経過観察の最も優れた血清学的指標として汎用されているが、前立腺肥大症(BPH)でも軽度上昇を示すことが知られている。このため、癌症例とBPH症例のいずれもが高頻度に分布し得る総PSA値“4.1〜10.0ng/ml”の領域は診断的グレイゾーン(diagnostic gray zone)と呼ばれ、癌・非癌の鑑別のための新たな指標が求められていた。近年、PSAの血中存在様式の研究から、総PSAに対する遊離型(蛋白非結合型)PSAの割合(F/T比)が前立腺癌患者と非癌患者とで異なることが明らかになった。すなわち、前立腺癌患者のF/T比は非癌患者に比べて有意に低値であり、上記グレイゾーン領域におけるF/T比の測定は前立腺癌の診断精度向上に貢献すると考えられる。
 前立腺癌患者では、アンチキモトリプシン(ACT)と結合したPSA(PSA-ACT)が、肥大症患者の血中より増加している。このため、F/T比の低下とPSA-ACTの増加が前立腺癌診断の指標となる。
 
異常値を示す疾患
低値疾患: 前立腺癌

 

平成18年11月30日まで

測定方法:RIA固相法

相関:X=RIA固相法、Y=CLIEIA法
PSA:Y=1.04X+0.107 r=0.997 n=196

F/T比:Y=1.037X-0.018 r=0.906 n=109

 



採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目


前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)
前立腺特異抗原(PSA)
Complex PSA
γ−セミノプロテイン

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