フルクトサミン, fructosamine
平成14年3月31日まで院内検査
平成14年4月1日より平成17年6月15日まで外注(SBS:旧住友)
平成17年6月16日よりSRL
平成18年6月23日中止:保険適応外のため

 


臨床的意義
 生体内の比較的半減期の長いHbやアルブミンなどの蛋白質は、血液中を循環している間に、しだいにその蛋白のN末端または側鎖のアミノ基にグルコースのアルデヒド基が非酵素的に結合して、糖化蛋白を生成する。生成された糖化蛋白は、側鎖結合がフルクトース構造をとるためにフルクトサミンとも呼ばれる。このように、フルクトサミンとは本来は血清中にある全蛋白質の糖化蛋白の総称であり、これにはGAやHbA1cを含んでいるので、単一蛋白分画の糖化蛋白とは異なる。フルクトサミンは不安定型糖尿病の血糖管理状態の把握に有用である。特にステロイド糖尿病や肝硬変を併発した糖尿病のように、空腹時血糖は比較的安定しているが食後高血糖が著明で変動しやすい症例では有用な指標である。また、著明な高血糖状態を急速に改善した場合には、随伴する脱水症状の改善に伴って血清蛋白濃度が急速に低下し、見かけ上、低値を示すことがある。HbA1cで測定した場合に異常値を呈するような疾患(溶血性貧血、失血後、鉄欠乏性貧血の回復時、異常ヘモグロビンなどのように偽高値の場合と、腎不全、乳糜血症、高ビリルビン血症などのように偽低値の場合)では、GA,フルクトサミンともに有用である。

測定方法: 比色法(NBT法)

測定機器: コバスミラ(ロッシュ)(平成14年3月31日まで)

測定試薬: ロシュ(平成14年3月31日まで)

基準範囲:  205〜285 μmoL/L (平成14年4月1日より)
        
234〜306 μmol/l (平成14年3月31日まで)  
  
異常値を示す疾患
高値 肝硬変、甲状腺機能低下症、栄養摂取障害
低値 ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、熱傷

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

HbA1c
グリコアルブミン
1,5AG   

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