輸血・細胞療法部
輸血・細胞療法部のご紹介
ABO血液型検査とRhD血液型検査
ABO血液型は明治33年(1900年)にオーストラリアのカール・ランドシュタイナーによって発見されました。ABO血液型検査では、赤血球の表面にあるA抗原とB抗原を調べるオモテ検査と、血漿(血清)中に存在する抗Aと抗Bを検査するウラ検査を行い、両方の結果が一致して初めて血液型が判定できます。RhD血液型は、D抗原以外に数多くの抗原がありますが、輸血をする際に重要なD抗原を調べています。D抗原がある場合をRh陽性、D抗原がない場合をRh陰性といいます。
ABO、RhD血液型は輸血するうえで非常に重要な血液型であり、誤った血液型で輸血を行わないようにしなければなりません。そのため異なる時点で採血された血液で検査を行い、血液型を決定しています。場合によっては、同じ日に、採血を2回していただくこともありますが、ご理解とご協力をお願いします。



不規則抗体検査
不規則抗体とは、ABO血液型以外の血液型に対する抗体で、輸血や妊娠などでつくられる可能性があります。不規則抗体の種類によっては、輸血した赤血球製剤が壊されてしまうため、赤血球輸血の際には、ABO・RhD血液型だけでなく、不規則抗体の有無も調べる必要があります。また、不規則抗体を産生していることが予めわかっている場合は、その抗体と反応する抗原がない赤血球製剤を準備します。特に何回も輸血を行っている患者さんの場合は、定期的に新しい検体で検査を行い不規則抗体の確認を行っています。



交差適合試験
赤血球製剤を輸血する前に、患者さんの血液と準備した赤血球製剤が合っている(適合)かを調べる検査です。ABO血液型の誤りがないか、また、不規則抗体に反応していないかを確認しています。不規則抗体を保有している患者さんには、その抗体に反応しない赤血球製剤を準備してから検査を行うため、通常よりも時間がかかります。不規則抗体はいつつくられるかわからないため、3日以内に採血された検体で検査することが望ましいとされています。

