ごあいさつ

 歯科医療において、治療を行う前にまず診断を行うことが重要です。その際、臨床所見に加えて各種検査を行うことによって臨床診断を得ることになります。口腔領域では、歯や骨のような硬組織が多く、直視することが出来ない部分に病変が存在することから、臨床検査の中で、画像診断はとても大きな情報をもたらします。歯科では、パノラマエックス線撮影などの歯科特有の機器に加え、CTやMRIなどの多くの先進的な機器を使用して診断を行います。さらに、口腔病変には、歯原性の病変をはじめとして他臓器と比較して特有の動態を示す病変が存在することから診断には苦慮することが多々あります。それゆえ、画像診断においては、画像機器のみならず、病態等の幅広い知識を必要とします。当分野では、外来診療として、画像診断のみならず問診や臨床診断を加味して診断を行っています。また、診断に加えて、口腔癌の放射線治療も重要なフィールドとなっています。

 歯科放射線専門医はすでに2010年3月17日に厚生労働省が広告可能とした歯科専門医と認められています。2018年4月には日本歯科専門医機構が発足し、日本歯科放射線学会は日本歯科専門医機構からも認証されています。歯科放射線専門医は社会から歯科放射線学の重要性を十分認識していただき、歯科診療において、重要な部門である歯科放射線学の存在を発信していきたいと活動しています。