岡山大学 腸健康科学研究センター

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研究紹介

研究紹介1:環境水・下水のVBNCコレラ菌汚染の調査

 水生細菌であるコレラ菌(ビブリオ・コレレ:Vibrio cholerae)がヒトへ感染する経路を明らかにするため、コルカタ市内の環境水(ため池や河川の水)および下水を採取し、水試料中に存在するビブリオ属菌とVBNCコレラ菌の調査、ならびに栄養型コレラ菌(常法で培養できるコレラ菌)への復帰に関する研究を行っています。
 また、コレラ菌に特有の毒素や病原因子などの遺伝子の分布状況を調べ、新型のコレラ菌が発生し、伝播・拡散する過程の解明を目指しています。

研究紹介2:家畜や家禽の腸内細菌目細菌汚染の調査

 インド国では、野鳥の他、ニワトリ、イヌ、ヤギ、ウシなどを路上でみかけることが少なくなく、路上には、それらが排泄した糞便が放置されています。これまでの研究において、ウシの糞便から腸管出血性大腸菌(EHEC:enterohemorrhagic Escherichia coli、あるいはSTEC:Shiga toxin-producing E. coli)を高頻度に検出しています。したがって、糞便由来の病原微生物のヒトへの伝播・拡散の制御を目指し、家畜や家禽の糞便について腸内細菌目細菌などの調査を行っています。

研究紹介3:インドにおける腸管感染ウイルスの動物・環境調査と迅速診断法開発:下痢症対策と公衆衛生の強化

 インドでは、ロタウイルス、ノロウイルス、エンテロウイルスなどの腸管感染ウイルスが下痢症の主要な原因として広く蔓延しています。これらのウイルスは、特に小児の健康や地方の公衆衛生に深刻な影響を及ぼし、動物由来の感染や水・食品汚染を通じた環境伝播の観点からも研究の重要性が増しています。私たちは、インドで流行する腸管ウイルスのウイルスRNAやウイルスタンパク質を標的とする分子を用いた新たな迅速診断法を開発し、野生動物、家畜、水源、土壌におけるウイルス分布の調査を行います。これにより、医療インフラが限られた地域でのウイルス感染症の実態解明と環境管理の強化を目指しています。

また、腸管感染ウイルスの迅速診断法を開発することにより、野生動物、家畜、水源、土壌におけるウイルス分布を調査し、ウイルス感染症の実態を解明することも目指しています。