センター長挨拶
2024年4月に設置された本センターは、腸疾患の研究を中心に据えた全学センターとして、社会的なニーズに応えることを目的に活動を開始しました。腸疾患は全世界で最も罹患率の高い疾病の一つであり、特に下痢症などの急性腸疾患は毎年150万人以上の命を奪っています。また、日本国内でも潰瘍性大腸炎をはじめとする慢性腸疾患が増加しており、これらの課題に対処する必要性はますます高まっています。
本センターでは、多分野にわたる研究体制と組織を構築し、患者と健常者のデータを活用した網羅的な腸研究を推進します。具体的には以下の4つの活動目的を掲げています。
1. 腸に関する研究リソースの統合およびデータ活用による網羅的な腸研究の推進
2. 学際的な共同研究体制の強化と国際的な急性腸疾患アウトブレークへの備え
3. 慢性腸疾患および腸内フローラ関連疾患の病態生理の国際的視点からの解明
4. 将来的な腸疾患研究や腸健康科学研究の中核を担う若手研究者等の人材育成
これらの活動を通じて、腸と人の健康増進に貢献することを目指します。また、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として、ウェルビーイング社会の実現とメディカル・イノベーションによる社会変革に寄与していく所存です。
腸健康科学研究センター
センター長 成瀬恵治
センター長 成瀬恵治