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日本初 スヴァールバル世界種子貯蔵庫にオオムギ種子を保存

 世界中のあらゆる植物の種子を冷凍保存する世界最大の施設「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」*(ノルウェー領スヴァールバル諸島スピッツベルゲン島)を2月25日、本学資源植物科学研究所の佐藤和広教授が訪れ、同研究所のオオムギ種子575系統(各300粒)を貯蔵しました。これらのオオムギ種子は、人類の食糧確保のために必要な品種改良の基礎となる重要な遺伝資源で、同貯蔵庫に保存することで、長期的な安全性を保証されることになります。
 同研究所のオオムギ種子は、約70年にわたって世界各地から集められ、すでに失われた貴重な品種が多く含まれており、現在、文部科学省のナショナルバイオリソースプロジェクトによって国内外の研究者に分譲されています。特に日本、朝鮮半島、中国、ネパールなどの東アジア地域は、オオムギの多様性の大きな地域で、これらの保存と配付の中核となっている同研究所のオオムギは、世界でも五指に数えられる貴重な遺伝資源とされています。佐藤教授は、同施設を管理するグローバル作物多様性トラスト(国連食糧農業機関と国際農業研究協議グループが設立)のMarie Haga事務局長の同席のもと、我が国最初の植物種子の預け入れを行いました。
 現在、スヴァールバル世界種子貯蔵庫には約80万種類の種子が保存されており、オオムギ種子もマイナス18度で保存されます。同研究所では、今後、約5,000系統のオオムギの預託を予定しており、これらの全ての系統に含まれる遺伝子の多様性を解析して、不良環境などを克服するための基礎研究や新しい品種の開発に役立てる予定です。

【スヴァールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault )】*
 ベント・スコウマンが提唱し、2008年2月、ビル・ゲイツ主導のもと、地球上の種子を冷凍保存する世界最大の施設としてノルウェー領スピッツベルゲン島で操業開始した。ノルウェー政府はこれを「種子の箱舟計画」と称し、100ヵ国以上から支援を受けて具体化した。現在は、国連食糧農業機関(FAO)と国際農業研究協議グループ(CGIAR)の協力で2004年に設立された独立国際機関グローバル作物多様性トラストによって運営されている。なお、岡山大学資源植物科学研究所に1997年度に客員教授として在籍したボスマー博士が上級アドバイザーの任にあたっている。
 施設は、今後さまざまに予想される大規模で深刻な気候変動や自然災害、(植物の)病気の蔓延、核戦争等に備えて農作物種の絶滅を防ぐとともに、世界各地で地域的絶滅があった際は栽培再開の機会を提供することを目的としている。
 最大300万種の種子を保存可能とされる地下貯蔵庫は、マイナス18~20度に保たれ、万が一、冷却装置が故障した場合にも永久凍土層によってマイナス4 度を維持できる環境。地球温暖化が進み、海水面の上昇が起こった場合にも影響を受けることの無いよう、海抜約130mの岩盤内部約120mの地点に設けられている。


【本件問い合わせ先】
資源植物科学研究所 教授 佐藤和広
TEL:086-434-1244

(14.03.14)


オオムギ種子を預託する佐藤教授(右)


資源植物科学研究所が預託したオオムギ種子


スヴァールバル世界種子貯蔵庫


貯蔵庫にオオムギ種子を運ぶスタッフ