岡山大学 農学部

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【プレスリリース】器官の形を制御するリンパ管の新機能を発見 短時間で組織が消失する謎を解明

2014年04月05日

 岡山大学大学院環境生命科学研究科動物生殖生理学分野の奥田潔教授らの研究グループは、正常な黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣外へ流出することによって黄体が卵巣から消失することを発見しました。
 本研究成果は2014年2月20日、アメリカのオンライン科学雑誌『PLoS One』に掲載されました。
 多くの哺乳類において排卵後の卵巣に形成される黄体は、黄体ホルモンを分泌することで雌の体を妊娠可能にします。妊娠に至らなかった場合、黄体は卵巣から消滅し (黄体退行)、妊娠可能な状態が解除され (ヒトでは月経が起こる)、次の排卵が起こります。このように妊娠していない哺乳動物の卵巣では、黄体の形成と消失が絶えず繰り返され排卵周期が保たれています。
 これまで黄体退行は、黄体を構成する黄体細胞のアポトーシス (プログラムされた細胞死) によると考えられていました。しかし奥田教授らのグループは「黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣から流出する」という新規の黄体退行メカニズムの関与を見出しました。畜産現場ではウシの人工授精のために排卵のタイミングをコントロールする必要がありますが、排卵には前の排卵時に形成された黄体の消失が必須の条件となります。大量の黄体細胞を任意のタイミングでリンパ管へ流出させる技術を開発することで黄体退行を人為的に制御できれば、効率的に排卵を促し人工授精を行うことが可能となります。

詳細は下記リンク先をご覧ください。

参照リンク

http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id162.html

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