二万大塚古墳第1次発掘調査 概要報告
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 2. 前方部頂トレンチ

前方部頂トレンチでは、前方部における築造方法の把握と、埋葬施設の有無の確認を目的として調査を行った。主軸沿いに南北2m、東西10mのトレンチを設定した。トレンチ全面で墳丘上面を検出した後、主軸から南へ1mの幅でサブトレンチを設けた。


 前方部頂上における築造方法については、まず黒色と、黄色あるいは橙色の土を互層状に盛り、前方部側を高くし土手状を呈するようにつくる(左写真)。次に礫を多く含む土で平坦にする。その後、さらに土を施して前方部を整えたと考えられる。また、BA16付近では墳丘上面から約1.3m下(L=18.300)にあたる灰白色土層から土師器片が集中して出土した(右写真)。土師器片と共に炭粒も検出されており、この層の性質は灰であると考えられるが、現在、成分分析中である。土器を使用した祭祀の可能性も示唆されるが、その結果を踏まえた上で築造過程との関連を検討する必要があろう。

 埋葬施設については、墳丘上面から2m程度(L=17.500)掘り下げたが埋葬施設は確認できなかった。



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