二万大塚古墳第1次発掘調査 概要報告
目次へ
前ページ(2 墳丘 2.前方部頂トレンチ)へ



3. 前方部西トレンチ


 前方部西トレンチでは、前方部端の確認と前方部の形状及び築造方法の把握を目的とし、20ラインから西側に50p幅のベルトを残して主軸沿いに東西13m、幅2mの範囲でトレンチを設定した(右写真)。

 調査の結果、20ライン付近(L=15.650)から西は地山削り出しであり、それより東は地山を削り出した上に盛土を施していたことが確認された。前方部端は21ライン付近の傾斜変換点(L=14.000)で確認され、これにより現段階での二万大塚古墳の全長は38.5〜39mと推定される。

 また、盛土の状況を把握するため、トレンチ東側において幅1mのサブトレンチを入れ、全面で地山を検出した。この地山の直上から旧表土を検出したが、これは地山と盛土の境界まで続かないため、一部旧表土を削った後に盛土を施したと考えられる。盛土は最初に大きめの単位で平坦に整地した後、その上に土手状の盛土を施す。次にその内側に小さめの単位で互層状に土を盛り、最後にさらに大きめの単位で盛土を施し前方部を形作ったと考えられる(左写真)。なお、流土より埴輪片が大量に出土しており、埴輪列の存在の可能性は高いが、今回の調査では検出されなかった。また、葺石などの外表施設も確認されなかった。



次のページ(3.横穴式石室)へ

二万大塚古墳第1次発掘調査概報 目次へ
二万大塚古墳第1次発掘調査概報 トップへ
研究室のページへ