二万大塚古墳 第2次調査 概要報告
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 3. 後円部東トレンチ

後円部東トレンチでは、後円部端の確認と埴輪列や葺石・テラスの有無の確認、また後円部の築造方法の把握を目的とし、主軸沿いに8ラインから東に8m、幅2mのトレンチを設定した。

流土を掘り下げて全面で遺構面を検出した結果、後円部端は6ライン付近の傾斜変換点(L=14.25
で確認された。これにより、昨年度の調査で確認された前方部端の位置とあわせて、二万大塚古墳の
全長は
38.0mと推定される。埴輪列や葺石等の外表施設は確認されなかった。また、テラスにあたる
部分も確認されなかった。なお、流土中より須恵器片、埴輪片が出土した。いずれも後円部頂に置か
れていたものと考えられる。

その後、後円部の築造方法を把握するため、トレンチの北壁側に東西6.5m、幅1mのサブトレンチを
設定して地山を検出した。調査の結果、後円部は黒色と黄色の土を互層状に盛っていることが判明し
た。同じ状況が昨年度の前方部における調査でも確認されている。


後円部の築造方法については、まず小さな単位で互層状の盛土を施し、そして大きな単位で土を盛って平坦にした後、再び互層状の盛土を施して後円部を整えたと推定される。




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