二万大塚古墳 第三次発掘調査 概要報告

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1. 埴 輪

 本年度の調査では後円部石室・後円部北・北くびれ部南・前方部北の各トレンチで円筒埴輪が出土しているほか、一部朝顔形円筒埴輪の口縁部も出土している。

 円筒埴輪は、後円部北・北くびれ部南・前方部北トレンチ出土の計測できるもので底部径約18〜21p、底部端から最下段タガまでの高さ約10〜13pである。器壁の厚さは約2〜3pのものが多いが、後円部北トレンチ出土の埴輪は1.5p前後の薄手である。タガは断面が三角形や台形を呈し、同一個体内で形状が異なる場合もある。調整は、外面にタテハケ、内面にはハケや指によるナデが施されている。透かし孔が確認できるものは北くびれ部南トレンチで出土しており、縦長の楕円形を呈している。焼成はあまいものから良好なものまである。これらを昨年度出土したものと比較すると、径が小さく、底部端から最下段タガまでの高さも低いといえる。



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