二万大塚古墳 第三次発掘調査 概要報告

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 1. 後円部北トレンチ

 第1トレンチでは、後円部端の確認と埴輪列の有無の確認、後円部北側斜面の構造把握を目的として調査区を設定した。また去年度の北くびれ部トレンチの調査による埋土のために10ライン沿いで土層の観察が不可能なため、10ラインから東に50p幅のベルトを設定した。

 調査の結果、AXライン付近でテラスが確認され、また4基の円筒埴輪が列をなす形で検出された。後円部端はAVライン付近の傾斜変換点(L14.625)で確認された。これにより、後円部径は約23mと推定される。さらに掘り形の有無を確認するため埴輪列の断ち割りを地山まで行ったところ、地山に盛土を施してテラスを構築していることが判明し、掘り形は確認できなかった。後円部北側斜面の構造把握のために東側のトレンチ肩から幅1mで断ち割りを行ったが、撹乱で東壁側の土層は不明瞭であった。

 第2トレンチでは古墳の周辺地形の把握を目的として調査区を設定した。

 調査の結果、周溝は確認されず、古墳の周囲が一段低い段状の地形になっていることが確認された。後世に地形が部分的に削平されているものの、土層の堆積状況から古墳築造時にはすでにこのような地形であったものと考えられる。



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