二万大塚古墳 第三次発掘調査 概要報告

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3.  装身具

 石室から装身具として、玉類と耳環が出土した。

 玉類は碧玉製管玉6点、水晶製切子玉6点、水晶製算盤玉4点、琥珀製棗玉10点、空玉3点、ガラス製丸玉3点、ガラス小玉653点、土玉50点の計735点が出土した。碧玉製管玉は、外径10〜12o、長さ22〜29.5oの大きさのものが出土している。すべて片面穿孔であり、穿孔面の反対側に剥離痕がみられる。また、側面を研磨した際の擦痕もみられる。水晶製切子玉は、外径14〜18o、長さ8〜12oの大きさである。水晶製算盤玉は、外径10〜12o、長さ8〜12oの大きさである。切子玉・算盤玉ともに表面の擦痕のため不透明なものが多いが、透明度の高いものもみられる。どちらも片面穿孔であり、穿孔面の反対側に剥離痕がみられるものが多い。琥珀製棗玉は、外径12〜14o、長さ15〜23oの大きさであり、主に1Wで出土している。空玉は1Wで出土したものが、ほぼ完形に近い。銀製の扁平なものであり、大きさは外径17o、厚さ11oである。ガラス製丸玉は、1Wの1点のみが完形で出土しており、外径16o、長さ15oである。その他のものも含めて、色はすべてコバルトブルーである。ガラス小玉は透明度の高いスカイブルーと緑が大半を占めており、スカイブルー266点、緑245点、黄色126点、橙8点、コバルトブルー5点、赤3点が出土している。大きさは、外径3〜4o、長さ2〜4oであり、主に1Wに集中している。土玉は外径8oの大きさで、黒色を呈しており、主に2Eに集中している。

 耳環は細身のもの2点と太身のもの1点の、2種類が出土している。いずれも断面がほぼ円形の中実耳環である。細身で完形のものは、外径24o、断面径5oである。太身のものは外径3o、断面径6oであり、金環の可能性が高い。



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