骨製品(実測図)は、蒲鉾形のものが2点、円盤形のものが1点、ヘラ形のものが1点の計4点が出土している。蒲鉾形のもののうち、1点は長軸3.0cm、短軸1.5cm、厚さ0.5cmで長軸上に径3.5mmの2つの円孔がある。この2つの孔は滑らかに研磨されている。裏面には、組織方向と直交する向きに加工痕があり、その上から軽く研磨された痕跡がある。もう1点は、長軸3.2cm、短軸1.6cm、厚0.4cmで長軸上に径4.0mmの2つの円孔がある。この2つの円孔は研磨が施されていない。表面には斜交状に加工痕が、裏面には横方向に加工痕が見受けられる。円盤形のものは、径3.5cmで中央に約1cmの円孔がある。全体的なつくりは粗く、中央の円孔もいびつである。裏面全体には、斜交状に加工痕があり、軽く研磨を受けた痕跡が見受けられ、円孔においては放射状に加工痕が見受けられる。ヘラ形のものは、ゆづかと思われる骨角製品である。弓体に両端を縛結して使用したものと考えられ、両端が著しく磨滅している。本製品は現在のところ素材として鹿角が推定されるが、象牙・牛角等の可能性も否定できない。湾曲の少ない素材が選択されており、海綿質部分は研磨されて認められない。長軸10.5cm、短軸1.5cm、厚さ0.4cmのヘラ形で、断面は蒲鉾形を呈する。長軸の両端がやや外反し、表面には縦方向の研磨痕が見受けられる。
鋲付金銅製品は薄い金銅製の金属板に穿孔を施し、6点の鋲を通している。鋲に鍍金を施しているかは不明である。鋲は長さ1.1〜1.2cm、頭部径4〜5mmを測る。
青銅製品(実測図)は破片の状態で出土しているが、原形は環長径約4.8cm、短径約2.2cmの楕円形で扁平な環状を呈するものと思われる。破片自体は非常に薄く、長径の一端には穿孔を施し、青銅製の鋲を通している。もう一端にも穿孔の痕跡があるため、元は両端に鋲があったものと思われる。また、環の内側には段差が認められる。
岡山大学文学部考古学研究室copyright,1997
制作者:西田