第2章2 前庭部 に戻る

第2章 定東塚古墳


3.遺物


 東塚では、前庭部と西Bトレンチそれぞれから遺物(実測図)が出土している。

前庭部出土遺物について

 前庭部では陶棺片、鉄滓、弥生土器片が出土した。

西Bトレンチ出土遺物について

 西Bトレンチでは、鉄刀身、鉄鏃、鉄斧、刀子あるいは小刀と思われる鉄製品、人骨片、鹿角片、土師質土器片、弥生土器片が出土した。うち、鉄刀身、鉄鏃、刀子あるいは小刀と思われる鉄製品、人骨片は近接した位置関係で出土しているが、現在のところ時期を特定できていないため、本古墳に伴うものかどうかは不明である。後世の何らかの遺構に伴うものである可能性がある。

 鉄刀身は平造りで残存長30.8cm、刃部長24.7cm、両関で茎に目釘孔をもち、全体に渡って木質が残存する。鉄鏃は2点出土しており、うち1点は片刃箭式で茎に捻りをもつ。刀子あるいは小刀と思われる鉄製品は平造りの両関で残存長12.0cm、厚さ0.2cmを測る。鉄斧は両肩で、断面が長方形を呈する袋部をもつ。全長7.5cm、刃部最大幅5.2cmを測る。人骨片は数点が小片で出土しているが、詳細については不明である。土師質土器片、弥生土器片は多数出土しているものの、いずれも細片である。

第3章1 北トレンチへ

4次概報の目次へ

岡山大学文学部考古学研究室copyright,1997

制作者:寺村