勝負砂古墳第4次調査・二万大塚古墳第4次発掘調査 概要報告

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3.その他の土器

 勝負砂古墳では主に前方部Aトレンチから多くの黒色土器、瓦器、陶器が出土している。

黒色土器は昨年度第4トレンチと同様に多数出土している。内黒、両黒のものがそれぞれ存在し、椀の口縁部や高台椀の底部もあるが、その多くは小片である。

 瓦器は羽釜などの小片が少数出土している。図化した羽釜(1)は墳頂部トレンチ出土のもので、羽の部分の長さが1.9cm、厚さ0.5cmで、同様の羽釜は前方部トレンチからも出土している。

陶器・磁器に関しては、前方部Aトレンチ出土のものがほとんどで、19世紀代に比定されるものも散見できるが、多くは20世紀以降のものであり、大半は後世の客土から出土している。

その他では、土師質の甑の取手(2)などがある。しかし多くは時期・器種が不明な小片である。昨年度、勝負砂古墳周辺の畑で弥生土器の高杯の脚部が表採されていることから、弥生土器が含まれている可能性がある。



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