勝負砂古墳第4次調査・二万大塚古墳第4次発掘調査 概要報告

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2.須恵器

 本年度の調査で出土した須恵器は、杯、提瓶、甕であり、これらの須恵器の大半は前方部トレンチから出土した。しかし、出土量も少なく、後世の客土や流土からであるため、本古墳に伴うものかどうか本年度の調査では確認することができなかった。

 今回図化したものはすべて前方部トレンチから出土したもので、提瓶1点と甕の口縁部2点である。提瓶(1)については、内面に成形時の円孔の痕が確認でき、外面の胴部には同心円状にカキメが施されている。時期は6世紀代と考えられる。甕(2)は、復元口径17.4cm、口縁部はあまり外反せず、直立的に外上方にのびる。肩部にはカキメが施されている。甕(3)は、復元口径32.8cm、口縁部はあまり外反せず、外上方にのびる。頸部には二条の沈線の下に斜め方向のヘラ描き沈線文を配し、さらにその下に沈線がめぐっている。

【参考文献】 田辺昭三1981『須恵器大成』角川書店




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