勝負砂古墳第4次調査・二万大塚古墳第4次発掘調査 概要報告

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1.墳頂部トレンチ

 本調査区は、埋葬施設の有無、その構造の確認を目的とし、BA10を中心とした一辺6mの正方形を、BAライン沿いに西側へ2.5m、南へ50cmのばした形のトレンチを設定した。また土層の堆積状況を確認するために幅50cmのベルトを十字に設定した。

 墳頂から約10cm前後掘り下げたところで遺構面を検出し、墳頂部に不整形の掘り込みを確認した。さらに掘り下げた結果、この掘り込みは不整円形と横からの長楕円形の2つの掘り込みが重なっていることが確認され、ともに乱掘坑であると考えられる。また墳頂中心部から深さ約1.8mのところで赤褐色のドーム状の盛土を検出した。乱掘坑は赤褐色のドーム状盛土までしか至っておらず、埋葬施設の確認を行うため、赤褐色のドーム状盛土をたちわった。その結果、墳頂から深さ約3.4mのところで埋葬施設の可能性のある石組み遺構とそれを覆う青灰色粘土を確認し、本年度の調査を終了した。

 乱掘坑と思われる掘り込み内から埴輪片、瓦器片、陶器片が出土している。埴輪片は小片であり本古墳に伴うものかは不明である。また乱掘坑内埋土から20世紀代の陶器片が出土していることから、この掘り込みも20世紀代の可能性もある。



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