勝負砂古墳第4次調査・二万大塚古墳第4次発掘調査 概要報告

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3 遺物出土状況

 今回の調査において、石室からは須恵器、土師器、武器、各種鉄器、馬具、装身具などが出土している。

 土器は、玄門付近に須恵器の集中が見られ、2Eの南端に杯身2点と壺、3Eから杯蓋、3Wから杯身2点と杯蓋、高杯が出土している。その他では、0Eから杯蓋、0Wから高杯、1Eから杯身、杯蓋、高杯、器台、2Wから長頸壺の蓋が出土している。土師器は、1Eから壺が1点出土している。

 金属製品では、鉄鏃、馬具が石室全体から出土している。鉄鏃は0Eと3Wから多く出土し、特に0Eの主軸付近では、東西に方向をそろえて積み重なった状態で出土している。また、2Eから短刀が出土している。各種鉄器としては、蕨手刀子が1Eの南端から1点、2Eから2点出土している他、鉄釘、鎹、靱金具が数点出土している。馬具は、1Eで剣形付剣菱形杏葉、2Eでは?、素環状鏡板付轡、壺鐙金具、3Eで?が出土している他、球形鈴が1Eと3Wから1点ずつ出土している。

 装身具としては、耳環、玉類が出土している。耳環は1Eから1点、2Eから2点出土している。玉類は、碧玉製管玉、水晶製切子玉、琥珀製棗玉、空玉、ガラス製トンボ玉、ガラス製小玉、土玉が出土している。

 その他、1Eから、大きさ約50×27cmの有機物の痕跡が検出されているが、性格は不明である。また、0E、0Wから赤色顔料が僅かながら出土している。




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