勝負砂古墳第4次調査・二万大塚古墳第4次発掘調査 概要報告
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2.装身具
石室からは装身具として、玉類と耳環が出土した。
玉類は、碧玉製管玉2点、水晶製切子玉5点、琥珀製棗玉6点、空玉3点、ガラス製トンボ玉5点、ガラス製小玉424点、土玉14点の計459点が出土した。
碧玉製管玉は、1Eから最大径10mm、長さ26mmのものと、2Eから最大径11mm、長さ27mmのものが出土している。両方とも片面穿孔であるが、穿孔面の反対側に剥離痕が見られるものと、見られないものがあった。また、研磨した際の擦痕が見られた。
水晶製切子玉は、最大径12〜14mm、長さ12〜17mmのものが出土している。全て片面穿孔であり、穿孔面の反対側には剥離痕が見られた。表面は擦痕のために不透明なものが多い。
琥珀製棗玉は、最大径11〜13mm、長さ15〜23mmのものが出土している。
空玉は銀製であり、第3次調査の際に出土した平玉と、球形のものの2種類が出土している。平玉は1点出土しているが、完形ではないため、正確な大きさは不明である。球形の空玉は0Wから2点出土しており、最大径9〜10mmのものである。
ガラス製トンボ玉は、最大径15〜18mm、長さ15〜17mmのもので、主に0Wから出土している。全てコバルトブルー地に白色の斑文を付けたものである。1E出土の完形の玉は5つの斑文を有する。だが、0W出土のほぼ完形の玉の斑文は3つ、欠損部に斑文があったとしても4つである。そのため各個体によって斑文の数が異なっていた可能性は高い。
ガラス製小玉は、透明度の高いスカイブルーと緑が大半を占めており、緑195点、スカイブルー145点、黄色77点、橙4点、赤2点、コバルトブルー1点が出土している。大きさは外径2〜5mm、長さ2〜5mmである。
土玉は、最大径6〜8mmのもので、黒色を呈している。
耳環は太身のもの1点と細身のもの2点の2種類が出土している。いずれも断面がほぼ円形の中実耳環である。太身のものは完形で、1Eから出土しており、最大径22mm、断面径7mmのものである。細身のものは両方とも2Eから出土しており、ほぼ完形のものと残存状態の悪いものである。ほぼ完形のものは外径25mm、断面径4mmのものである。太身のものについては金環の可能性が高い。