3月21日【金】

今日は昨日とはうってかわって、初夏を思わせるほどのいい天気になりました。汗ばむほどの陽気の中、作業を行っていきました。

 墳頂部トレンチ西小口外側タチワリでは、土層を観察して、どのようにして層が作られていったのかを考えていきました。明日はこの検討結果を図面として記録する作業に入りたいと思います。
 SE区内タチワリでは、引き続き土層の性格を検討しながら、図面に記録する作業を行いました。まだ検討しなければならない箇所もありますが、どのような層なのかが徐々にわかってきました。
 石室内南壁際タチワリでは、検出されている鉄器や木質の様子を図面に記録しました。そのあと、これらの遺物を取り上げました。中には刀子(とうす)とみられる鉄器もありました。遺物を検出するのは重要な作業で緊張しますが、徐々に姿を現す遺物をすぐ近くで観察できるので、とても面白い作業でもあります。
 石室内西小口タチワリでは、昨日検出された灰色の土をきれいに出して、記録写真を撮りました。この土が、西小口外側タチワリで検出されている表土を用いた灰色の盛り土と同じものなのかどうかは、今後の検討課題です。

 後円部東第2トレンチでは、古墳をつくる時に盛られた土はどれなのか、土層の断面を見て検討し、調査団全員で確認を行いました。その結果、これまで木の根などによって土層が見にくかったところに、古墳が築かれた後の時代に掘りこまれた穴があるのではないかという可能性が出てきました。これを踏まえて、明日も引き続き検討を行っていきたいと思います。
 後円部東第3トレンチでも、土層の様子を調査団全員で確認しました。土層の性格を考察するのはとても難しい作業ではありますが、徐々に古墳の築かれていった様子が明らかになってきています。平らな面を意識して古墳を築いていったということがわかっています。

 また、今日は地質学者の別所氏(東大阪市鴻池新田会所)をお招きし、勝負砂古墳周辺の地層の様子がよくわかる露頭を見に行きました。勝負砂古墳の盛土に使用されている石が混じる土が露頭にも見られたことから、古墳の盛土には周溝を掘った時に出た土だけでなく、近くの土も用いている可能性があることがわかりました。

 この時期にいう言葉ではないのかもしれませんが、明日はもう少し涼しくなってほしいです…。

トータルステーション(測量機器)を使って鉄器の高さを測っています。手前の人がトータルステーションを操作し、真ん中でかがんでいる人が鉄器の場所を指しています。その左隣の人は高さの数値を記録しています。
後円部東第3トレンチでタチワリ内の壁をみて土層の重なりを検討しています。
近くの露頭付近から見た勝負砂古墳。青いビニールシートがかかっている所が前方部です。私たちは、普段はこちらから見ることはないので新鮮な眺めでした。

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