3月23日【日】

 墳頂部トレンチの石室内南壁際タチワリでは、鉄器周辺の清掃を行ったところ、先日から検出されている鑿( のみ)と一連の部分が確認でき、その長さが約18cmあるということが今回判明しました。今まで取り上げた工具と思われる鉄器の中でもとても立派なものです。また、床面の一部で礫の取り上げを行ったところ、粘土がでできました。
 石室内西小口壁際タチワリでは、昨日検出された灰色の土と、西小口壁側にある帯状で膜 のように薄い黒色の土を科学分析用のサンプルとして取り上げた後、掘り下げを行いました 。また、現在一番下に見えている西小口壁面の石に付着している粘土を剥がしたところ、黒色の土が付着しており、これもまたサンプルとして取り上げています。現在最下段にあたる 石と、その上にのっている石が黒色であることから、何か顔料のようなものを塗っていて、 それが粘土に付着して一緒に剥れたものではないかと考えているのですが、まだはっきり と判明していないため、今後の課題となりそうです。

 後円部東第2トレンチでは、古墳をつくる時に盛られた土はどれなのか、土層の断面を見 て検討したところ、南壁には古墳がつくられてから後の時代に掘りこまれた穴がたくさんあ って、土層の重なりがきれいに残っているところが少ないようです。しかし、第3トレンチ の下部で見られる土の盛り方は、第2トレンチでも見ることができます。
 後円部東第3トレンチでも、引き続き土層の重なりを検討しています。また、つくられた当時の墳丘の表面の上にのっていた土をとりました。

 今日は作業人数が先生を含めて12人と大変少ない日でした。16人、15人といた日が今ではとても懐かしく思いました。
今日の朝ごはんは、オジヤだったので力が出ませんでしたが、明日は白米と具材たっぷりの お味噌汁が食べられるそうなので明日は一層頑張れそうです。

石室内西小口壁際タチワリで掘り下げを行っている様子です。掘った土は小さいスコップが入らないのでスプーンでとっています。
石室内南側際壁タチワリでの礫取り上げ後に粘土を検出したところです。

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