3月25日【火】

本日は少し肌寒い天気でしたが、後円部東第2・第3トレンチと墳頂部トレンチに分かれて作業を行いました。以下では墳頂部トレンチ内の各タチワリ、後円部東第2・第3トレンチの順で作業内容の説明を行いたいと思います。
 石室南壁際タチワリでは、掘り下げを行ったところタチワリの中から土器の破片が見つかりました。この土器片は古墳築造当時の表土を利用した盛土にのるようなかたちで出土しています。この土器がなぜ石室の床の下にあったのか現在のところ明らかではありませんが、非常に興味深い発見です。またこのタチワリの横の石室内におかれた粘土の中から刀子・ヤリガンナなどの工具が新たに見つかったため、図面に記録して取り上げを行いました。
 石室内西小口タチワリでは、掘り下げを行って、石室の床の下にある土層の観察を行いました。床の上面から40cmほど掘っていて、手が届く掘り下げも限界に近い状況です。
 SE区内タチワリでは、断面の土層を図面に記録し、今回の調査の作業内容はほぼ消化しました。
 西小口外側タチワリでは、昨日図面に記録した北壁と南壁の土層の情報を記録しました。その情報というのは、土がしまっているか、粘性があるか、どのようなもの(礫等)を層中に含んでいるかといったもので、1つ1つの層を観察して確認していきます。。このようなものを合計で80層分ほど書いたので、実に骨の折れる作業でした。また狭いタチワリなので1人しか作業できないため孤独な作業が続きました。
 
 後円部東第2・第3トレンチでは掘り下げと土層の検討、記録を行いました。特に土層の検討は発掘参加者全員で行い、活発な議論が交わされています。しかし、特に第2トレンチでは木の根による撹乱や後世の改変が著しいため、現在第2トレンチが設けられている墳丘の斜面に平坦部があったのかどうか判断するのは容易ではありません。
 今回の調査期間の終わりも近づいてきて、作業も終わりに向かいつつあります。残された時間は少ないですが、慎重に作業を進めていきたいと思います。

  

石室南壁際タチワリ出土の土器。大体床面から約30cm下にあります。
後円部東第2、3トレンチでの図面作業。手前の第3とレンチでは図面にとるために必要な壁の高さを測っています。奥側の第2トレンチでは土層の重なりを図面にとっています。

前へ/トップへ/次へ