平成23年度 老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)「地震による津波で被災した一人暮らし高齢者・高齢者世帯の生活再構築のための支援過程の構造化」事業報告

保健師による東日本大震災復興支援プロジェクト

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震災後の活動の概要

「元大槌町保健師 鈴木るり子」2011年3月30日の語り

 本事業は厚生労働省より補助金を得て行った単年度事業で、内容は大きく2つに分かれています。
ひとつは、震災1.5-2か月後、ボランティア保健師が全戸家庭訪問で実施した岩手県大槌町での健康生活調査について、大槌町からの依頼によって約5千件の結果集計を行い、健康・生活面の課題の明確化と、復興に向けた保健活動による対応策を提案した事業です。
 もうひとつは、被災地の自治体職員や地区組織等関係者、外部から被災地支援に入った保健師、合計158名への面接調査を行い、その分析から「被災地と被災者の理解を深める」、「被災者の健康課題と対応方法を検討する」、「平時・有事の災害保健活動のあり方を示すことを目的として研究成果を創出した事業です。
 また、一連の過程の成果物を、本ホームページを通して皆様にお伝えすることができました。津波被害を受けた対象や災害保健活動の理解を促進する内容のDVDも作成しました。単年度では、当初目的としていた支援過程の構造化に至るまでの検討が十分にできませんでしたが、それは今後の課題とさせていただきたく存じます。
 調査票の記載内容や面接時の逐語録を何度も読みながら、残された方々の痛みを深く感じ、亡くなった方々のご冥福を願い続けています。本事業の成果を、今後の災害支援活動や、平時の地域づくりに少しでも活用していただければ、関係者一同これほど嬉しいことはありません。皆様におかれましては、どうぞご健康に、そしてご安全に日々を送られますよう、ますますのご活躍とご発展を心からお祈り申し上げます。

平成24年3月1日

事業班代表 岡本玲子

岩手県大槌町の町民、町保健師、元保健師の語り

2011年10月20日、日本公衆衛生学会(秋田)で開催された自由集会の記録。自治体保健師や保健師教員など約90名が参加した。

東日本大震災 保健師による大槌町全戸家庭訪問と復興支援活動

2011年4月23日から5月8日までの間、総勢137名、延べ555名の保健師による全戸家庭訪問が行われた結果、約4,000件のお宅を訪問、5100名分の健康生活調査票の結果をまとめて大槌町役場に報告した。

大槌町 ウインドシールドサーベイ(wind-shield survey 地区視診)

大槌町をくまなく回り、各地区の被害状況を現地で確認する、ウインドシールドサーベイ(地区視診)を行った。
※「DVD版」では住宅地図をもとに鈴木先生が被災状況を解説をした動画が同時収録されています。

※「DVD版」は公衆衛生看護学の教育関係者は視聴可能です。phn@md.okayama-u.ac.jp までお問い合わせください。