国立大学法人 岡山大学

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事業継続プロフェッショナル(ABCP)資格取得講座プレ研修を開催

2021年03月04日

 本学研究協力部は2月24日、事業継続プロフェッショナル(ABCP)資格取得講座受講のための予備知識を学ぶ「プレ研修」を開催しました。
 本学は、内閣府の令和2年度「国立大学イノベーション創出環境強化事業」に採択されています。同事業の一環として、コロナ禍において、その役割を発揮したリスクマネジメントの機能とノウハウを活かし、イノベーション達成のための全体最適・継続的改善に力点を置いた、統合リスクマネジメント(ERM)の構築・運用を進めています。その取り組みの一つとして、リスクマネジメントやBCP(事業継続計画の策定)/BCM(事業継続マネジメント)の研修を行っています。
 ABCP資格は、DRIインターナショナル(Disaster Recovery Institute International:DRII(ディー・アール・アイ・アイ))認定の世界標準(プロフェショナル・プラクティス)に基づく事業継続の専門家資格です。本学では、イノベーション創出環境強化事業において、ERMの構築・運用をミッションステートメントの一つに掲げていますが、ERMもBCP/BCMも組織の全体最適の内部統制を目指すことは共通であり、両者は極めて親和性が高いことから、ERMの構築・運用を推進する人材が同時にBCP/BCMがわかる人材として成長してほしいとの願いから、大学構成員の本資格取得を目指しています。
 本プレ研修は、3月に開催するABCP資格取得講座に向け、予備知識や学習方法を学び、知識の定着を確実なものにすることを目的としています。
プレ研修では、ABCP資格を有する山﨑淳一郎研究協力部長が講師となり、同講座の概要やポイント、参考となる書籍などについて解説。山﨑部長は「コロナをはじめ、あらゆる災害に対応できるように、常に“備え”や“復旧”について考えておき、事業を継続できるようにすることが求められている」と話しました。
 プレ研修には、研究推進機構や研究協力部の教職員約10人が参加。ABCP資格試験の受験へ向け、熱心に講義に聞き入っていました。

【本件問い合わせ先】
研究協力部 部長 山﨑 淳一郎
TEL:086-251-8410

(語句解説)
・事業継続(BC:Business Continuity)
 大学の経営資源を破壊、混乱、中断させるようなインシデントが発生した後で、自らの大学が許容できる教育・研究活動の提供レベルをあらかじめ決めておき、そのレベルで大学が教育・研究活動を提供し続けられること。
・事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)
インシデントが発生した場合、大学の対応、復旧、再開および事業の中断後あらかじめ決めた活動レベルに復旧させるための文書化された手続き、またはその文書。重要な業務を継続するのに必要な経営資源、活動や復旧目標などが記載される。広い意味でのBCPには、初動対応計画、危機管理計画、狭義の事業継続計画、災害復旧計画が含まれる。
・事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)
 インシデントが発生した場合、大学の事業活動に与えるインパクト(影響)等を最小化するための総合的なマネジメントシステムのこと。リスクやインパクトの特定だけはなく、重要なステークホルダーの利益、大学の評判、ブランドおよび大学価値を保護するために有効に対応できる大学のレジリエンス(複雑で変化する環境の中で大学が適応できるようにすること)を構築する枠組みをつくること。
・統合的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)
 全学的リスクマネジメントとも言う。大学が価値を創造し、維持し、実現するプロセスにおいて、リスクをマネジメントするためによりどころとする、戦略策定とパフォーマンス(実行)を統合したカルチャー、能力、実務を含めた枠組み。あるリスクをマネジメントするときに、部署によってマネジメント方法が異なる、部分最適でものごとを考えるのではなく、大学全体でどのようなマネジメントをするのが望ましいか(全体最適)でリスクをマネジメントすること。
・事業継続プロフェッショナル(ABCP)資格
 ABCPは、現在、世界中で14,000以上の認定者が世界100か国以上で活躍しています。米国のフォーチュン100社のCEOの94%が本資格を持つ者を採用したいとの調査結果もあります。国内大学においては、ABCP取得者は4名、岡山県内では1名と希少な存在です。
・リスク(Risk)
 (大学の)目的に対する不確かさの影響。不確かさ=発生可能性と影響の2要素を加味したもの。被害や損害だけがリスクではなく、影響を与えるものなら、目的を達成するために与えられた機会(チャンス)もリスクに入る。すなわち、(大学の)目的を達成できない不確か(1~99%)であることがリスク。
・リスクマネジメント(Risk Management)
 大学の目的や目標達成を促進することをねらいとして、リスクを効果的・効率的に管理する活動。
・DRIインターナショナル(Disaster Recovery Institute International:DRII(ディー・アール・アイ・アイ))
 1988年設立。「コンティンジェンシー・プランニング(不測事態対応計画の策定)」や「リスク・マネジメント」、また、急速に高度化する専門性における知識の礎を構築するための団体で、BCPとBCMの実務者のために、業界随一の教育と認定プログラムを提供している。

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