本学は3月30日、「岡山大学スタートアップ・新規事業創出強化セミナー 価値の新機軸を創る~医療・ヘルスイノベーションの『今』」を、オンラインで開催しました。
SDGsやコロナ禍、グレート・リセット、AI、DX...さまざまなキーワードとともに刻一刻と時代が劇的に変化している「今」、企業等ではこれまでにない仕組み作りや新規事業などに急いで着手しています。一方、大学、特に国立大学法人では、これまでの教育、研究、社会貢献の3本柱だけではなく、大学経営という視点の中で経営基盤強化などのためにより多くの外部資金獲得を目指すことや、新たな価値を育むための新しいイノベーション創出の取組を活性化させています。
今回、岡山大学の強みのひとつである医療・ヘルス領域に注目し、いままで受けていた医療・ヘルスサービスの延長線上ではなく、まさに漫画やSFの世界の夢の技術を現実にしようとする動き、そしてそうのような動きを醸成する場作りや人々の活動など「新機軸」に焦点を当て、本セミナーを企画しました。
本セミナーのモデレーターは、共に医療をバッググランドとして臨床開発コンサルティングやアドバイザー、エンジェル投資家などの顔を持つ本学の佐藤法仁副理事(研究・産学共創担当)・URAと川崎駅前レディースクリニックの川原正行院長が務め、オープニングでは、佐藤副理事・URAが本学の経営改革ビジョンの紹介とともにテクノロジーが人々にとって本当に価値あるものとなる「新機軸」を創り出していくことの大切さなどについて紹介しました。
基調講演では、山下計画株式会社の山下哲也代表取締役が「21世紀のアスクレピオスは電脳の杖をもつ -MedTech・HealthTechがもたらす⾰新-」と題して、世界の医療・ヘルス関連のテクノロジー動向を紹介するとともにスタートアップ・ベンチャーにおける戦略やアントレプレナーシップ(起業家精神)の醸成の重要性などについて実例を挙げて紹介しました。
次の講演では、はじめに岡山大学病院新医療研究開発センターの櫻井淳企画運営部長が「岡山大学病院における産学共創イノベーション創出の取組」と題して、臨床研究中核病院などさまざまな拠点機能を有する岡山大学病院が取り組んで来たイノベーション創出事例について紹介するともに、社会の課題解決・知の創造のための「循環・越境・共創」のエコシステムの取組、2023年竣工予定の先端治療・臨床検査センターでの「デジタルバンク・プロジェクト」などについて紹介しました。
続く2演題目の講演では川原院長がモデレーターを務めるなか、株式会社東京⼤学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)の小林宏彰プリンシパルが「医療系ベンチャー企業への投資経験からの学び」と題して、テクノロジー領域のベンチャー企業への投資を行うベンチャーキャピタルの一員として、また医師としての視点も踏まえて、これまでの活動からの知見について紹介。さらに、実際にいま活動している医療系ベンチャーや新規事業の方々の成長につながるための課題設定や顧客の視点、資本構成、エビデンスの重要性などについて例を挙げて紹介しました。
クロージングでは、川原院長から本セミナーの取りまとめとともに、自身の臨床開発コンサルティングやアドバイザー、エンジェル投資家などとして活動してきた経験などについて紹介。医療・ヘルス領域で活動している方やこれから挑戦しようと考えている方への期待などについて述べました。
本学は昨年10月に内閣府の「国立大学イノベーション創出環境強化事業」に採択後、イノベーションエコシステムの構築を加速させています。その中で本学の強みのひとつである医療・ヘルス領域は単に大学内の学術研究だけではなく、社会のサービスや新しい価値を生み出すことに直結しています。本学では、この強みある医療・ヘルス領域における自前主義を廃し、さまざまなステークホルダーらと共創することで今までにない新たな価値「新機軸」を連続的に創り上げていく予定です。岡山大学病院では非医療系の企業・団体等でもストレスなく、わかりやすく相談できる“敷居が低い”体制を整えています。ご興味ご関心ある方々はお気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。
【本件問い合わせ先】
岡山大学 研究協力部 研究協力課 研究支援総括グループ
(「岡山大学スタートアップ・新規事業創出強化セミナー」担当)
TEL:086-251-8462
E-mail:renkeikikou◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい。
HP:https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
医療・ヘルスイノベーションから価値の新機軸を創る 岡山大学スタートアップ・新規事業創出強化セミナーを開催
2021年04月14日