国立大学法人 岡山大学

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尾﨑教授(医)がAMED「令和4年度医療機器開発推進研究事業」に採択

2022年03月25日

 本学学術研究院医歯薬学域(医学系)整形外科学教室の尾﨑敏文教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和4年度医療機器開発推進研究事業」に採択されました。
 同事業は、国民により安全な医療技術を早期に提供することを目的として、日本で生み出された基礎研究の成果を、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」にもとづく医療機器の承認に繋げるため、実用化への見込みが高く、科学性及び倫理性が十分に担保され得る質の高い臨床研究・医師主導治験などを推進するものです。
 今回、尾﨑教授は本事業の「小児用医療機器の実用化を目指す医師主導治験・臨床研究」の区分において、「AIによる骨腫瘍X線画像読影システムの開発と臨床研究」という題目のもと申請し、採択に至り、令和4~8年度までの期間、研究チームを率いることになります。
 今回の採択を受けて尾﨑教授は、「原発性悪性骨腫瘍は、小児に多く発生する骨肉腫とユーイング肉腫が有名ですが、その診療ではいかに早期診断を行い、転移の無い状態で治療が開始できるかが最も重要です。しかし、希少がんであるため殆どの医師が診療経験を有さず、整形外科診療において初診時に診断する事は極めて難しい課題です。特に、成長期かつ活動性も高い年齢層であり、運動や成長に伴う疼痛を訴えて受診する患者の中に骨腫瘍患者が紛れて存在することから、いかに的確に悪性骨腫瘍患者を見つけ出す事が現場での大きな課題となっています。MRIなどの精査を行えば、異常所見を指摘する事は比較的容易ですが、初診時のX線検査でいかに見逃しを減らすかが重要です。人工知能による骨X線読影はそれらの問題を解決しうる大きな改革であり、そのもたらすメリットは計り知れません。本研究は診断が遅れ、失われ続けている小児の命に直結するものであり、臨床上の高い重要性を有するものです。本研究の成果を、地域での整形外科診療にまで普及させ、見逃し症例を減らすことを目的としています。なお本研究には、研究開発分担者として岡山市立市民病院整形外科の長谷井嬢医長、岡山大学整形外科の中原龍一助教、共同研究者としてプラスマン合同会社に参加いただき、岡山大学病院新医療研究開発センターの櫻井淳先生をはじめ、関係者の皆様にご指導いただいております。」とコメント。5年間の研究活動に意欲を見せました。
 本学では、2020年度に文部科学省の「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト」に採択されており、「『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点」のプロジェクト名のもと、地域ならではの豊富な医療課題をキュレーションし、AI解決までをデザインできる人材育成のために、大学院博士課程に「医療AI応用コース」を設置したり、産学官の共創によるイノベーション創出のための共同・受託研究などを積極的に取り組んでいます。今回の尾﨑教授の事業採択は、本学の強みある医療系の研究開発力の強化のみならず、医療AIによる新たなヘルスイノベーション創出強化に大きく推進するものです。今後の尾﨑教授らの研究チームの活動にご期待ください。
 本件は、2022年3月7日にAMEDホームページに公開されました。

【本件問い合わせ先】
学術研究院 医歯薬学域(医学系)整形外科学教室 教授 尾﨑敏文
TEL:086-235-7273
https://www.okayama-ortho.jp/

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